'98.4.11(旧→新)
〜譫言〜
3

暗闇(外)タイミングある住人 3.203.21約束
3.273.29翌日4.24.9見た目のひらがな

(外)=他ページへ移動
 
 


1998.2.8 ─暗闇→  
 

 
  タイミング 1998.2.25

私は秋にある植物(名前は知らない)を育てていた。

今日、知人がその名前を電話で教えてくれた。
そして、綺麗な花が咲くのだと、嬉しそうに説明してくれた。

そうか、綺麗な花が... 
「ありがとう」
枯れた葉を見ながら答えた。

 

別に花が見たかったわけではない
減っていく水を見ていたかったんだ

見ているうち、水を入れ忘れたんだ


(本当は、寒さのためだと思うけど)



いくつか前の冬、店の陳列棚に並べられた色とりどりの口紅を眺めていて、それが全て同じ色に見えた時、自分はつまらない人だと思った。  あの日の寒さと乾ききった口元の感触と地平線を失ったような無重力感が、今もここに住み着いているような気が する。

 
記憶を失うのは、とても怖いけれど、
鮮明な記憶で飾り付けた部屋の中で眠るのも怖い

目を覚ました時、
自分がどこにいるのか、暫くわからない



 
ここにあるのは、飾りとしての記憶ばかり。
だから、肝心なことは何も思い出せない。
自分の顔とか。


  約束    '98.3

ある人が私の本を書いてくれると言った。
何十年先かもしれないし、書かないかもしれないけれど、書いてくれると。
期待出来るような話ではないので(もう忘れているかもしれない)、嬉しさだけが残った。

何ヶ月か前、別のある人が、2、3日したら必ず私宛に手紙を出してくれると言った。
待っていて、と。
毎日楽しみにしていたが、未だに届かない。寂しさだけが残った。

些細な約束事をする時は慎重がよい。


 
過剰なまでの拒絶、それは甘え
過剰なまでの要求、それは甘え

いたわることと甘やかすことを
取り違えました

一度味わうと忘れられない快楽
一歩踏み込むと出られない迷路

3. 27

 
傷口が痛み出すのは、傷に気付いた後だから、
血まみれになりながら平気で笑っていたりする。
血を見たとたん、そこに心臓が出来、鼓動を直に感じる。
そして自分の体がまだ生きていたことを知る。
知ることは痛い。

死にながら笑っている方が幸せではありませんか?

3.29

  翌日

ああ、そうか、すっかり忘れていました。
存在するのは痛みだけではなかったですね。



 
暗闇で光を見つめるとき、その輪郭は幾重にも重なり、
凝視すればするほど、不明瞭になってしまいます。
初めて気が付いた時には、少し焦りました。
はっきり見えるはずの形が確認出来ないのですから。
今ではそういうものだと思っている為か、
ぶれた光の輪郭は、ぶれたままくっきりと見えます。
真実を追求するだけの気力を持ち合わせていないと、
曖昧さを全て束ね、一つの形としてしまうのでしょうか。


 
 
 
 
 
籠 1.5kb  

 
 
 
物と同じように人を所有することは出来るのだろうか?
誰かを自分の檻の中に閉じこめることは可能だが、
その人の気持ちまで所有したとは言えない。

しかし気持ちを単なる化学反応とするならば?
 
 
 
 
 
 

 だからどうしたというわけでもないけれど、ふと思ったこと
 

 
 
独断と偏見で平仮名を評価してみました。(一体何の為に?)

発音=△○◎、形状=12345

       5◎ な  3○ た  3◎ さ  5◎ か  3△ あ       
 3△ に  4△ ち  3△ し  3◎ き  3△ い 
 3△ ぬ  3○ つ  5○ す  3◎ く  4△ う 
 2△ ね  4○ て  5○ せ  4◎ け  5△ え 
 4△ の  5○ と  4◎ そ  3◎ こ  3△ お 
 
    ↑平仮名への思い入れ表↓
 
 4△ ん  4△ わ  5◎ ら  5△ や  3△ ま  2△ は 
   4◎ り        3△ み  4△ ひ 
 4△ る  5○ ゆ  3△ む  5△ ふ 
 5◎ れ        3△ め  3△ へ 
 4△ を  4○ ろ  3△ よ  5△ も  3△ ほ 


注:これは活字に対してではなく、「お手本」風の
手書き文字(書く人によって違うのでかなり曖昧)に
対するもの。活字とは随分イメージが変わる。また、
特に「え、る」等は少し崩した場合の評価。楷書なら
評価は悪い。 但し、いずれにしても私には書け
ない
ため、偉そうなことは何も言えない。

--
結果を見ると「は、ね」が良くないらしい。
は...ね......はね(羽根)、良さそうなのに。
組み合わせによって、感覚が変わるのかもしれない。
一つひとつ見ていても、あまり意味はないと
いうことなのだろうか。
あ、いや、これは単語のイメージが重なったせいか。  
 

*    
 
ところで、文字への拘りがあるというわけではありません。
今だけ。ここだけ。
この表は文字そのものに対してというより、その形や音
だけを見た場合。それに、評価もいい加減。(当たり前か)
1998.3
* 

  「アンのジョー」

そういえば、初めて「案の定」という言葉を聞いた時のことを覚えている。 単語の意味は分からなかったが、その響きに惹かれた。 そして意味もきっと素敵であるに違いないと勝手に思い込んだ(望んだ)。
しかし、その言葉が使われているのを何度か聞くうち、自分が思うほど素晴らし単語でもないのではないか、 という不安を感じるようになり、ある日辞書を引いてみると、案の定、私の不安は的中していた。(調べるのが遅すぎる)
悲しかった。元が素晴らしいだけに、何だかぴんとこない使われ方をして気の毒だと思った。
 
 
*今は意味を抜きにして考えても、そんなに素敵な響きだとは思わない。むしろその逆である。人の感覚など、すぐに変わる。


1998.4


  
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