■ モード Assist/Control

 

これまで話してきたモードは、調節呼吸(CMV=Controlled mechanical ventilation)と呼ばれるものでしたが、これは患者さんに意識、自発呼吸が全くない場合に使われます。
自発呼吸があっても無視するんでしたね。 (わからない場合はここへ戻る・・・。)
この機能にトリガー機能をつけた換気法に 補助換気Assist というのがあります。
患者さんの呼吸に合わせて、強制換気「=設定した換気パターンで換気」します。
(前頁 モードとその表現の違い を参照)
この換気法は換気回数は関係なく自発呼吸があったら、トリガしただけ強制換気してしまうということです。

しかし、現実には調節換気Controlや補助換気Assistがそれぞれ単独で搭載されている人工呼吸器はほとんどありません。
普通はAssist/Control(補助/調節換気、A/C)モードとして2つの機能を兼ね備えたモードになっています。

つまり自発呼吸がなかったら、Controlとして働き、自発呼吸があったらAssistとして作動します。
設定換気回数より、自発呼吸が優先されますので、もし自発呼吸が30回/分あったら、たとえ換気回数を20回/分に設定していても、30回/分 設定された吸気パターンで押してしまいます。
この場合、必然的に呼気時間が短縮されてしまいます。
これが次に話すSIMVとの大きな違いですね。

しかしそれでは、ちょっとやっかいなことがあります。
換気させすぎてCOが低下する危険性があるのです。
低炭酸ガス血症になると、脳血流や冠血流が低下しますので、この点には充分気をつけなければなりません。
自発呼吸数が多い患者さんには、次のSIMVやPSVが適しています。

最近は自発呼吸を残し(生かし)、気道内圧を下げることが多いのですが、必ずしもそれがベストではないこともあります。
鎮静して自発呼吸をなくしてでも調節換気した方がいい症例もあるということを知っておきましょう。

なお、このモードにはPEEP はつけられますが、PS(プレッシャーサポート 後述)はつけられません。

 


戻る   次へ

HOME   ご意見・ご感想   疑問箱   エキスパチェック

プラスαの知識   ケア・技術・その他   用語集   とりとめのない話   リンク集

Copyright (c) 2001-2003 overcoming respirator. All rights reserved.