■ モード SIMV

 

SIMVは最もよく使われるモードですのでよく覚えてくださいね。

synchronized intermittent mandatory ventilation
  同期的      間欠的    強制的    換気

患者さんの呼吸に同期させて、時々だけど、強制的に、換気させる方法って感じでしょうか?(苦しい・・・)
先ほどの Assist と違うところは、この “時々”っていうところですね。
どんなふうに時々か? っていうと、自発呼吸に対して “設定した回数分” が時々です。
つまり、このモードは自発呼吸が設定した換気回数より多いってことが、前提にある言葉なんですねぇ。

というわけで、自発呼吸はあることはある。 
でもそれだけじゃ心もとないって時に頻繁に使います。

さて、SIMVのポイントをまたみっつほど。

まだ呼吸器の理解が曖昧だった頃、ふと抱いた疑問がありました。
自発呼吸のない患者さんにCMV(Control)20回と、Asisst の20回とSIMVの20回、何がどう違うんだろう・・・。
答えは、「ほとんど同じ!」です。

じゃ、自発呼吸20回の患者さんではどうでしょう。
CMV(Control)にはトリガー機能がないので、ファイティングの恐れがありますが、Asisst とSIMVは・・・これまたほとんど同じ!です。

んじゃ、
Asisst の5回とSIMVの5回も同じなのか? となると、これが違うんですねぇ。
(そろそろ、違いが出てこないとモードを分けている意味がない・・・。)

Asisst の5回ってどんな呼吸パターン(形)になるでしょう。
一回換気量500ml I:E1:2とすると・・・。

4秒吸って8秒で呼く? こんな換気をされたんじゃ、たまったもんじゃないですね。
Asisst の換気回数は換気パターン(形)を決定する条件のひとつです。
ですから、自然な換気パターンをつくるために、換気回数は12〜20bpmぐらいでCO2
の値などを見ながら調整していく方がよさそうです。

それに比べてSIMVでは、まず換気パターン(形)を先に作って、その形の換気を何回行うか?を決めます。
そのために、サーボやエビタでは換気パターンをつくるためのと実際換気する回数の(SIMV)の2種類があります

ここはちょっとややこしくて、知らないDr.もいますので、変な設定をしていたら教えてあげてくださいね。(*^_^*) 


もうひとつのポイントは、換気するタイミングです。
20回/分の規則的な呼吸をしている患者さんに、換気回数 5回/分と設定したとき、患者さんの自発呼吸の4回に1回、器械による換気がなされるわけですが、呼吸が不規則な場合はどうなるでしょう。
チェーンストークス呼吸のように、過呼吸と無呼吸を繰り返す場合や てんでバラバラな呼吸をする人に、何回に一回という押し方ではこまりますよね。
ですから、確実に1分間に5回押すために、トリガーウインドというものが用意されています。
これは賢い!!

まず、設定換気回数で時間を割り振り、その前後にトリガーウインドというトリガーが有効になる範囲を決めます。
この幅は機種によって異なります。


トリガーウインド中に行われた吸気努力にだけ、シンクロさせて設定した分を強制換気するのです。(青の曲線)
そうそう、SIMVのSってシンクロのSですよ。
トリガーウインドから外れた自発呼吸には換気が行われません。 (気道内圧曲線の黄色の曲線)
トリガーウインドが開いている間に、吸気努力がない場合、つまり自発呼吸がない場合は強制的に換気します。(気道内圧曲線の赤の曲線)
これで過呼吸のときも無呼吸のときもほとんど規則的に、換気されるってわけです。
感心でしょ? 

みっつめはSIMVにはPEEPはもちろんPS(Pressure Support)がかけられるってことです。
Asisst は自発呼吸がない、あるいはかなり弱い(少ない)ということを前提にしているので、自発呼吸をサポートするって考え方はないんですね。

逆にSIMVは自発呼吸があるってことを前提にしているので、この自発呼吸を少しでもサポートしてやりたいときに PS(Pressure Support)がかけられるようになっています。
この場合、↑の図で示した自発呼吸(気道内圧曲線の黄色の曲線)のみ、気道内圧がサポート圧まで上昇するという変化があるだけで、他は何も変わりません。

 


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