このサイトの最初の方で人工呼吸器は1回の「呼吸パターン」を作って、設定した回数を押すんですよ、と説明しましたが、覚えていますか?
サーボも基本的には同じなんですが、もう少し複雑です。
実はサーボの何がわかりにくいって、この呼吸パターンの作り方が一番ややこしいのではないかと私自身は感じております。
ということは、ここをクリアすれば、サーボ攻略にうーんと近づけるんじゃないかなぁ・・・。(*^_^*)
注意しなければいけないのは、これから説明するのは原則として呼吸器が強制的に押す従量式のモード、VCV、SIMV(従量)+PSでの「呼吸パターン」です。
従圧式のモードではまた若干違いますので、混同しないようにしましょうね。
前述サーボのパネルの
呼吸パターン関連のエリアには、「換気回数」、「吸気時間」、「休止時間」、「立ち上がり時間」、「SIMV回数」という5つのダイアルがあります。
「SIMV回数」以外の4つを使って呼吸パターンを作ります。
ちょっとややこしいですが、頑張りましょう。
図にマウスを当てると、別ウインドウで表示されます。
見やすい場所に移動して↓を読んでいってください。
- まず、「換気回数」ダイアルで
の部分を決めます。
これは1回の換気に要する時間、呼吸時間です。
「換気回数」が20b/mなら3秒ですね。
- 次に「吸気時間」ダイアルで の部分を決めます。
このダイアルの単位は%です。つまり、先ほど設定した「呼吸時間」に対する割合です。
通常25%なので、「吸気時間」は0.75秒です。
- 次に「立ち上がり時間」ダイアルで、 の部分を決めます。
「立ち上がり時間」とは、最大吸気流速
に到達するまでの時間のこと。
立ち上がりをゼロにすると吸気開始と同時に流速が設定レベルに上昇するため患者さんが違和感を感じることがあります。 これを和らげるための配慮です。
このダイアルも単位が%で、1回の呼吸時間に対する割合になります。
通常5%なので、0.15秒ですが、この0.15秒は「吸気時間」の中に含まれていることに注意しましょう。
- 次に「休止時間」ダイアルで、 を決めます。
「呼気時間」は最低20%を確保しなければならないので、残りの80%内で「吸気時間」と「休止時間」の割り振りを考えなければなりません。
このとき、吸気時間が優先されます。
IRVという吸気と呼気の比率を逆転させるやり方がありますが、もし「吸気時間」を80%取った場合、「休止時間」は全く取れないことになります。
また「吸気時間」を60%、「休止時間」を30%取りたくても残りが20%しかないので(80%−60%)「休止時間は」カットされちゃって20%になります。
- 因みに、このエリアには「呼吸パターン」に関連す値が表示されます。設定吸気相に出る時間は の部分です。
I:Eは :
です。
「スタンバイ」の横の●に触れたあと、使っているモードの横の●に指を当てると設定吸気相の部分に I:E比が表示されます。
呼吸パターンには直接関係ないですが、一回換気量は
の面積です。
この高さを求めると
最大吸気流速がわかります。
「設定吸気流速」に表示される流速の単位は、L/s ですが、「スタンバイ」の横の●に触れたあと、使っているモードの横の●に指を当てると単位が、L/mに変わります。
せっかくですから、1回換気量を500mlと設定したときのを
求めてみましょう。(笑)
はこの図形の高さですから、
0.5L = 0.15÷2 + (0.75−0.15)
= 0.075 + 0.6
=0.675
=0.74 L/s = 44.4L/m
ちゃんと計算どおりに表示されているかな?
あとはご自分でお確かめあれ♪
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