■ モード PSV

 

PSVも最近、頻繁に使われるモードです。
pressure support ventilation  圧支持法 通常プレッシャーサポートと言われます。 
以前はウィーニング(後述)過程で使われることが多かったみたいですが、今ではいきなりPSVってことも少なくありません。
その理由は、過剰な気道内圧がかからず、ファイティングがおきにくいからです。

今まで話してきたモードは、ほとんど強制換気で、換気する量(あるいは圧)、息を吸う時間や吐く時間は器械によって決められていました。
このPSVは量は一切設定しません。
そして、換気回数もI:E比も関係ありません。
今までのモードと大きく違う点は、息を吸う量、吸う回数、吸う時間、吐く時間、そのすべてが患者さんまかせってところです。

じゃ、呼吸器は何をするの?ってことになりますよね。
PSVは、患者さんが息を吸う間、低めの圧をかけてあげて息がしやすいように助けてあげる働きをします。
PCVのように、無理やり肺が膨らむほどの圧をかけるのではなく、あくまでも自発呼吸にそって、ちょっと後押しをしてあげる方法です。
ですから、自発呼吸のない人、呼吸がいつ止まるかわからない人、また自発呼吸がかなり弱い人などには向きません。

患者さんが息を吸いはじめると気道内圧が下がります。
そこへすかさず、下がった圧を打ち消し、さらに気道内が設定した圧になる程度のガスを送り込みます。
これで呼吸がしやすくなりますから、患者さんはもっと息を吸います。
そしたら、呼吸器は負けじとガスを送り込んで設定圧より下がらないようにしてあげます。
患者さんの息を吸うスピードが遅くなったら、「あっ吸うの終わりかな?」と判断し、ガスを送り込むのを止めるのです。
これで患者さんは息を吸いたいとき吸いたいだけ吸って、吐きたくなったいつでも吐けて、しかも呼吸は、うんとらくちんになるのです。

プレッシャーサポートはPCV同様、患者さんの息を吸う力や、肺のやわらかさ(コンプライアンス)によって、換気量が変化します。
あまりにも換気量が少ないようなら、サポート圧を上げるとか、SIMVに切り替えて、ある程度の換気量をキープするなどの方法を取る必要があります。

よく使われるのはSIMVとの併用です。
SIMVで数回しっかり換気して必要最低限の換気量を確保し、残りの自発呼吸にプレッシャーサポートをかける。
ウィニング段階でSIMV回数を減らしたり、サポート圧を下げていきます。
あるいは最初っからプレッシャーサポートだけにしておいて、圧を高めに設定し、少しずつサポート圧を下げていくという方法がとられます。


 


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