スカジー(SCSI)Small Computer System Interface(1/2)
始めに
Shugart社が開発したSASI(サージ)を元に、拡張されたシステムインターフェイス。
ANSIで標準化が行なわれた。
最初の標準規格をSCSI-1と呼ぶことが多い(規格そのものは「SCSI」であり,数字はつかない)。
その後、互換性の強化,性能の向上などの改良が行われ、SCSI-2が標準化された。現在はSCSI-3の標準化作業が行なわれている。
SCSIという名称は,上記のSCSI-1,SCSI-2,SCSI-3の総称として用いられるほか,ANSI標準化以前のSCSIを指すこともある.
一般にSCSIは,両端にターミネータを持つバスと,そこに接続されるSCSIデバイスで構成される。
SCSIバスは,さまざまなフェーズ(SCSIバスフェーズ)を遷移しながら,データの転送等を行なう.
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規格
SCSI(Small Computer System Interface)通称SCSI-1(用語辞典)
(規格番号:X3.131-1986)
公式にはSCSI-1という規格は存在しないが、一般には1986年に刊行れたANSIによる最初の標準規格がこのように呼ばれる。
8ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は8台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は5Mbytes/sec。
SASIに比べ,同期モードによるデータ転送メッセージやコマンドの強化,ディファレンシャル(平衡)伝送のサポートといった強化が図られている。
ケーブルは50ピンのものが使用される
SCSI-1は,論理仕様において、過去の製品との互換性を保つため多くのベンダユニークコマンドを認めている。
そのため,SCSI-1に準拠したデバイス間でも、電気的な接続には問題ないが、ソフトウェア的に接続できないという問題が生じる結果となった。
メーカー間で、この問題を解消するため、CCS(Common
Command Set:共通コマンドセット)が定義され、コマンドセットの標準化が図られることになった(ただしCCSはANSI規格ではない)。
CCSではハードディスクやCD-ROMなどのダイレクトアクセスデバイスに対するコマンドが定められ、CCSに準拠するかぎり、ベンダを問わずこうしたデバイスを接続することが可能となっている.
SCSI-2(Small Computer System Interface-2)(用語辞典)
(規格番号:X3.131-1994)
1994年1月31日に承認されたSCSI規格。
SCSI-1との互換性を持ちながら、SCSIで指摘されていた規格の曖昧さを是正し、高性能化とコマンドセットの互換性の強化を図った。
また、SCSI-1では未定義だった機器(テープ、CD-ROM、スキャナ、プリンタetc)コマンドの追加が行われている。
2つの種類が存在する「FAST SCSI」と「WIDE
SCSI」である。
また、高性能化に伴い、用いるケーブルの電気特性が極めてシビアになっており、FAST
SCSIの利用に際してはディファレンシャル伝送の利用が推奨されている。
また,パリティも必須となったため、古いSCSIデバイスでは、パリティをサポートしていないため,SCSI-2システムで利用できない場合もある
FAST SCSI(用語辞典)
8ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は8台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は10Mbytes/sec。
SCSIと同じ50ピンのケーブルが使用可能
WIDE SCSI(FAST WIDE SCSIとも呼ばれる)(用語辞典)
WIDE SCSIはSCSIバス幅を拡張した規格で。
16bit幅への拡張(16bit WIDE)と32bit幅への拡張(32bit
WIDE)の2種類がある。
最大接続台数は8台(ホストを含む)
このバス幅の拡張に際して,SCSI-2ではSCSI-1と同様な50ピンのケーブル(Aケーブル)と,68ピンのケーブル(Bケーブル)の2本を用いる。
それぞれ20Mbytes/sec,40Mbytes/secという高速なデータ転送が可能。
SCSI-3(Small Computer System Interface-3)
(規格番号:X3.277-1996)
1996年に承認されたSCSI規格
SCSI-3はFAST SCSIを拡張したUltra SCSI ( FAST20とも呼ばれる)とWIDE
SCSIを拡張したUltra Wide SCSIがある。
SCSI-2と最も大きく異なるのは、パラレルインターフェイスに加え、IEEE1394(FireWire)やFibreChannelなど,次世代の高速シリアルインターフェイスへの対応が加えられる点にある.
また,パラレルインターフェイスにおいても,SCSI-2のWIDE
SCSIでは2本のケーブル(AケーブルとBケーブル)を必要としていたのが,68ピンのケーブル1本に置き換えられる。
また,SCSI-2 WIDE SCSIではBケーブルのデータ線をアービトレーションに用いることができなかったため,SCSIバスに接続可能なデバイスは8bit幅SCSI同様,8台までであったが,SCSI-3
WIDE SCSIにおいては,16bit WIDEなら16台,32bit
WIDEなら32台と,バス幅に応じたSCSIデバイスを接続することが可能になる.
ULTRA SCSI(FAST 20とも呼ばれる)(用語辞典)
8ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は8台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は20Mbytes/sec。
ULTRA WIDE SCSI(FAST WIDE SCSIとも呼ばれる)(用語辞典)
16ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は16台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は40Mbytes/sec。
ULTRA2 SCSI(用語辞典)
8ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は8台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は40Mbytes/sec。
ULTRA2 WIDE SCSI(用語辞典)
16ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は16台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は80Mbytes/sec。
ULTRA3 SCSI(Ultra 160とも呼ばれる(用語辞典)
16ビット幅のパラレルインターフェイスで、最大接続台数は16台(ホストを含む)
同期転送時の最大データ転送速度は160Mbytes/sec。
現在、SCSI-3で制定が行われているのは下記表のとおりである。
SCSI-3のプロジェクト一覧
パラレル・シリアル |
プロジェクト名 |
名称 |
パラレル
Parallel Interface Projects |
SPI
Ultra
Fast-20 |
ULTRA SCSI |
ULTRA WIDE SCSI |
SPI2
Ultra2 |
ULTRA2 SCSI |
ULTRA2 WIDE SCS |
SPI3
Ultra3 |
ULTRA3 SCSI |
シリアル
Serial Interface Projects |
SBP-2 |
IEEE 1394 |
FCP, FCP-2 |
Fibre Channel |
SSA-S3P |
SSA-PH1
SSA-PH2 |
SPI -- SCSI Parallel Interface
SPB-- Serial Bus Protocol
FCP-- Fibre Channel Protocol
SSA-S3P-- SSA SCSI-3 Protocol
SE (Single Ended)
オリジナルの不平衡インターフェイス(初期のSCSIから使用されている普及タイプ)
HVD(High Voltage Differential)
オリジナルの平衡インターフェイス
LVD(Low Voltage Differential)
SCSI-3のSPI-2で追加された低電圧型の平衡インターフェイス
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SCSIの名称
SCSIの名称各種あるが、下記法則で付けられている。
「Ultra」「Fast」はタイミングクロックを表す。
SCSC-1を(200ns[5MHz]で最大転送速度は5MB/秒)がベースで、
「Fast」は転送速度が2倍
「Ultra」はさらに2倍
「Ultra2」はさらに2倍
「Ultra3」はさらに2倍
となる。
「Wide」は、通常のSCSIバスが8bit幅であるのに対し、16bitバスに拡張したタイプを指す名前である。
8bitバスが50ピンのケーブルを使用するのに対し、68ピンのケーブルを使用する。
クロックとバス幅での分類
クロック(MHz) |
8ビット(MB/S) |
16ビット(MB/S) |
5 |
SCSI-1 |
5 |
--- |
10 |
10 |
FAST SCSI (SCSI-2) |
10 |
FAST WIDE (SCSI-2) |
20 |
20 |
Ultra SCSI(SCSI-3) |
20 |
Ultra Wide SCSI(SCSI-3) |
40 |
40 |
Ultra2 SCSI |
40 |
Ultra2 Wide SCSI |
80 |
40(ダブルエッジ80) |
|
80 |
Ultra3 SCSI |
160 |
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Update by 2000/6/25(SCSI-3のプロジェクト追加)
Update by 2000/6/17
Create by 2000/6/10