SCSIでは次の2つの転送方式が使用されます。
名称 説明 非同期転送
(用語辞典)送信側が受信側に確認を取りながら、タイミングを合わせます。
送信側と受信側で1バイトずつ確認を行うためスピードは遅いですが、確実にデータ転送が行えます
同期転送
(用語辞典)受信側が送信側にタイミングを合わせます。
スピードは早いですが、データの受け渡し確認を行わないため、同期がずれるとデータの取りこぼしが発生します。
一般的に、下記2点の転送制御が使用されます。
名称 説明 バスマスタ SCSIホストアダプタに搭載されtDMA(Direct Memory Access)を使用した転送制御
DMAはCPUに負荷をかけずに、SCSIボード自身がI/O転送を行うものです。
CPU負荷が軽いため、マルチタスクOSには特に有用です。
PIO方式にくらべ高価ですが、高速なデータ転送が可能になります。PIO データ転送にCPUのI/O転送を使うものです。
CPU占有率が高くなりますが、CPUの処理能力に比例した転送が可能です。
CPUが高速であれば、バスマスタより高速に転送が出来ます。
SCSIでは次の3つのケーブルの規格あります。
今後はLVDタイプが主流になっていくと考えられます。
名称 説明 シングルエンド(用語辞典)
Single Ended初期のSCSIから使用されている普及タイプ。電源は3.3V
【長所】価格が安い
【短所】ケーブル長を長く出来ないのが欠点。
ただし、SCSI-3でクロックが40MHz以上のものについては使用できないHVD(用語辞典)
(High Voltage Differential)
【長所】ケーブルが一番長く引き伸ばせる。
【短所】価格が高く、消費電力も高い
使用電圧が違うので他の2種類と混在が出来ないLVD(用語辞典)
(Low Voltage Differencial)SCSI-3のSPI3で採用されたケーブル。電源は3.3V
【長所】ケーブルが引き伸ばせる
【短所】価格が高い
SCSIで主に使用されるコネクタは下記のとおりです
ピン種類 ピンの形状 補足 外部接続用 アンフェノール
フルピッチ50pinSCSI アンフェノール
ハーフピッチベローズ50pinSCSI-2 アンフェノール
ハーフピッチピン50pin
(ハイピッチ50pin)SCSI-2 D-Sub
ハーフピッチ50ピンNarrowSCSI用 D-Sub
ハーフピッチ68ピンWideSCSI用 D-Sub25pin Zip、スキャナーの一部で採用。 HDI30ピン マッキントッシュで採用 内部接続用
フラットケーブル内蔵50pin NarrowSCSI用 内蔵68pin WideSCSI用
通常、発生した信号は終端まで行きそのまま終端で反射して戻っていき、次の信号と干渉し信号が劣化する現象が起こります。
(浜辺の波を思い出してください。一度目の波が打ち寄せ戻るとき2度目の波と干渉しあい2度目の波が弱くなります。これと同じです)
ターミネータとは、SCSIバスの物理的な終端(両端)につける抵抗のことで、信号の反射ノイズを吸収する役目があります。
ターミネータにはパッシブターミネータと、アクティブターミネータがあります。
パッシブターミネータは単純な集合抵抗による抵抗分圧器で安価
アクティブターミネータは安定化電源回路(ボルテージレギュレータ)と抵抗からなり信頼性が高いが価格も高価
という特徴があります。
特にケーブルが長かったり高速転送のデバイスがある場合は、パッシブターミネータでは動作が不安定になる場合がありますので、アクティブターミネータがお勧めです。
ターミネータ用電源(Term Power)は、ターミネータを駆動するための電源で通常はSCSIインターフェースからSCSIバスに対して供給します。
私自身、あまり文章をまとめる時間がないのでSCSIについての用語を簡単にまとめ少しづつまとめていこうと思います
SCSI機器につける背番号のようなもの。(同一SCSIバス上に同じIDがあってはならない)
最大数は8〜16台
SCSIデバイスの中で,1つのターゲット(つまりは1つのSCSI ID)でありながら,複数のアクセス可能な論理装置構成を持つ場合に,それらの識別を行なうために付与されるアドレス。
Logical Unit NumberからLUNと呼ばれることも多い.
連装CD-ROMドライブでなどで、1台のSCSIデバイスでありながら,複数のLUNを持たせることで,複数台のドライブとして利用することが可能となる。
この場合イニシエータ(PC側)は,アクセスしたいドライブを指定するために,その機器のSCSI IDとアクセスしたいCD-ROMのLUNの両方を指定する必要がある。
SCSIインターフェイス,電源,デバイスコントロールを1つの80ピンコネクタにすることで,ホットスワップを容易にしたコネクタ
SCSIバスと電源,デバイスコントロール用信号線を1つの80ピンコネクタにまとめることで,ホットスワップを容易にしたコネクタ。
SFFやEIAにより規定されている
SCSIのID設定などを自動的に行なうための規格。(PnPだと考えればよい)
SCSIバス上の「すべての」デバイスがSCAMに対応していれば,ユーザーはSCSIの設定を一切行なう必要がなくなる。
規格の策定当初,SCAMはSCSI Configured AutoMagicallyの略とされていたが,現在ではパラレルSCSIの規格にてSCSI Configured Automaticallyと規定されている。
SCSIバスに接続されたどのデバイスも、イニシエータであり、ターゲットでありえます。
イニシエータとはSCSIバス上で命令を出す装置で、その命令を受け取る装置がターゲットです。
ほとんどの場合、イニシエータはSCSIホストアダプタ(SCSIカード)であり、ターゲットはSCSI機器(厳密にはディスクコントローラ)となります。
ターゲットからの読み出し命令にしたがって、SCSI機器はデータの読み出しを行います。
SCSIバスの動作は下記に分けられます。
バスフリーフェーズ(BUS FREE phase)
アービトレーションフェーズ(ARBITRATION phase)
セレクションフェーズ(SELECTION phase)
リセレクションフェーズ(RESELECTION phase)
情報転送フェーズ(information transfer phase)
SCSIのコマンドの中には、処理に時間がかかるものも含まれています。
コマンドを受け取ったターゲットが、自らをSCSIバスから切り離す動作をディスコネクトと呼びます。
(ディスコネクトすることでSCSIバスはバスフリーフェーズとなり、他のSCSIデバイスがSCSIバスを利用できるようになります)
コマンド処理が終了したら、アービトレーションフェーズでバス占有権を得て、リセレクションフェーズでイニシエータを獲得(リコネクト)し、データフェーズもしくはステータスフェーズへと移行します。
このような処理を行なうことで,SCSIバスの使用効率が向上し、全体のスループットが改善されます。
コマンドが終了する前に次のコマンドを受け取っておく機能です。
コマンドを先行して受け取っておき、効率がよいと思われる順番にならびかえて実行します。
参考文献
ANSIのホームページ(英文)
STA(SCSI Trade Associates)(英文)
Create by 2000/6/17