■ 器械的「マウスツーマウス」(3) 〜 スピード

 

ところで、先ほどの1回換気量500mlという量を呼吸器はどうやって作り出すのでしょうか?
まさか、一回一回大きな注射器のようなもので量って押し込むわけにも行きませんし、そんなものどこにもついていませんよね。
これは、ガスの流れるスピードをコンピュータで制御して作り出しているのです。

ここで、問題です。( ̄ー ̄)にやりっ
吸気時間1秒で、一回換気量500mlを送り出すときの、ガスのスピードはいくらでしょう。

スピード = 量 ÷ 時間

ですから、何のことはない・・・。 500ml/秒(sec) ってことになります。(笑)
このガスが吹き込まれるときのスピードを吸気流速といいますが、 呼吸器の機種によって表現方法が異なることがあるので注意してね。

吸気流速 = 吸気フロー = ピークフロー = Vmax など・・・。

通常の吸気流速は L/min(分)という単位を使うので単位の変換が必要です。
ml/sec を L/min  に置き換えるには 60/1000をかければいいですね。

500ml/sec = 500×60/1000 = 30L/min となります。

このスピードがどれくらいか、イメージできますか?
通常、酸素カニューラの場合、3L/minぐらいですから、その10倍のスピードです。
それくらいのスピードで押さないと、胸を膨らませないんですね。

頭の整理です。
1回換気量は、スピードと吸気時間によって作られています。

一回換気量(V) = 吸気流速 × 吸気時間  (但し、単位の違いに注意!)

呼吸器の勉強をするときに欠かせないのは、言葉と単位と相互関係です。
単位には意味が含まれています。
億劫がらずに、しっかり覚えましょうね。^ ^

 


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