いよいよモード(換気様式)の話が近づいてきました。
その前にどうしても抑えておかなければならないこと、「従量式換気の基本の換気パターン」がどうやって作られるのか復習しながら少し追加しておきます。
(従圧式の曲線は少し違うので、注意してくださいね。)
まずは、↓のグラフを見てください。
今まで出てきた言葉が、網羅されていると思いますが、グラフの内容がわかりますか?
わからない場合は、また前に帰って復習してみてくださいね。
ひとつだけこれまでに出てこなかった言葉があると思いますので、その話を少ししましょう。
それは「EIP」 で、他にも いろいろな呼び方があり、 休止時間、プラトー、ポーズはどれも同じ意味です。
このEIPは吸気相に属します。 (ここは押さえておいてね。)
もし換気回数を20bpm、I:E比を1:2に設定したとき、吸気時間は1秒になりますね。
(1回の換気に要する時間は 60秒÷20bpm=3秒 吸気時間は1/3なので1秒)
では1回換気量500mlを、吸気流速36L/mで入れると何秒で入れることができるでしょうか?
まず、吸気流速の単位を変えましょう。
36L/m=36×1000/60ml/s=600ml/s
600ml/sで押したとき、500ml 入るまでに何秒かかるかというと
500ml÷600ml/s=0.83秒
もうわかりましたか?
換気回数を20bpm、I:E比を1:2、1回換気量500ml、吸気流速36L/m
とすると、0.17秒の隙間ができるのです。
これがEIPです。
EIPは1回換気量を押し込んだあと、すぐ呼気に転じないで、しばらくそのままにしておくことです。
少しでも長く、肺胞を膨らませた状態にすることによって、その間に有効なガス交換をさせたいって目的があるのです。(最近ではこの考え方に疑問視する声もあるようですが・・・。)
少しでも長くといっても0.何秒ですからほんのちょっとの間ですけどね。(^^)
呼気終末で同じような効果を狙っているのがPEEP、吸気終末がEIPです。
ちなみにPCV(圧規定式換気)には、EIPというのは存在しません。
というより・・・ PCVでは吸気時間のほとんどがEIPみたいなものだからです。
(PCVは、一気に圧を設定値まで上げてあとはその圧をキープするんでしたね。)
このEIPの設定は、呼吸器の機種によって、時間を設定するもの、吸気時間の○%と割合を設定するもの、今見たように他の条件から2次的に決まってしまうもの、まったくできないものがあります。
私の施設では、意識的にEIPの設定を行うことはほとんどない!ような気がします。(笑)
サーボシリーズは、1回の呼吸時間の10%がデフォルト(初期値)になっています。
では、この「従量式換気の基本の換気パターン」をしっかり頭に入れてモードに行きましょう。
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