ところで、私たちは日頃どうやって呼吸をしているのでしょうか。
意識する、しないにかかわらず、呼吸筋を使って大きく胸を広げ、胸腔内が陰圧(大気圧より低い圧)になることによって外気が肺に引き込まれます。
つまり、正常の呼吸では常に胸腔内が陰圧(大気圧より低い圧)になっています。
ところが、「マウスツーマウス」や器械による人工換気では、無理やり空気を押し込んでいるわけですから、どうしても気道内には圧をがかかってしまいます。
これが、器械による人工換気を 「陽圧換気」と表現する所以です。
※ 「陽圧換気」ということばは、換気様式を説明するものではなく、現在主流の人工呼吸を
概念的に説明することばです。
ここは人工呼吸器の本を開くと、最初に書いてあることですね。
じゃ何故? わざわざ「胸腔内が陰圧である」とか「陽圧である」と書かれているのでしょうか?
この部分は、人工呼吸管理をするうえでとても大切なところですので、プラスαの知識の「正常な呼吸器系」「圧外傷」の部分をぜひ読んでくださいね。
とりあえず、、胸腔内が陽圧であるというのは、正常じゃないんだよって覚えておいてくださいね。
注射器の内側に風船を密着させる。

内筒をひくと、注射器内部が陰圧になり、風船が引っ張られて空気が入ってくる。
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正常の呼吸器モデル
風船の中 ≦ 大気圧
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もうひとつの注射器を密着させて空気を押し込む。

外から注射器に空気を押し込むと、圧力がかかって風船が膨らみ内筒も押される。
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陽圧換気時の呼吸器モデル
風船の中 ≧ 大気圧

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