というより、ふるさとに帰る途中の風景
白水の滝(古屋敷)2003年8月14日 

椎葉からの帰りに、「白水の滝」を見ることにした。
いつも椎葉への行き帰りに、遠くから眺めていて、気になっていた所である。

場所は、球磨郡湯前町から水上村へ向かい30分くらい車で走ると、古屋敷という集落につく。その道路から見えるのがこの滝である。

滝の上につり橋がかかっているのが、お分かりでしょうか?写真をクリックしてみてください。

少し雨がパラついていたが、案内板に従って曲がりくねった山道を登って行った。
山道の途中にも小さな滝がいくつかある。

なかなかたどり着かないので、道でも迷ったかなと思った頃、下り坂となり三叉路に案内板が見えた。

やれやれと思いながら、三叉路を右折し少し行くと、左手に石楠花公園がある。時期的に花は咲いていない。
さらに行くと前方に建物が見えてきた。駐車場と休憩所・土産物を売っている売店があったが、今日はしまっていた。
休憩所の中を通り、遊歩道を下り始める。かなりの急な坂で、運動不足の足にはかなりきつい。

ごうごうと滝の音は聞こえるが、なかなか滝に着かない。10分くらい下ると、ようやく滝の上流についた。

岩の上を白い水が幾すじも流れ、すべり落ちていく。なかなかきれい!

ふんふん!来て良かったナ!!
横を若いカップルが楽しそうに笑いながら、私を追い抜いていった。ここで初めて人にあった。県外からの観光客のようだ。

ようやく滝の上に架かっている橋にたどり着いた。

かなりの高さがあるようだ。滝も申し分ない!落差もあり、大変きれいである。

小雨のため周囲はガスがかかっている。というより雲の中にいるのかもしれない。
さっき追い越していった若いカップルが、急ぎ足で、引き返してきたのと再びすれ違った。

「滝はどうでしたか?」と声をかけると、「ええ、まあ」と短い返事で、男のほうは迷惑そうな顔。

では、とつり橋を渡ろうとすると。「なッ!なんだ?この橋は!」。下が丸見えではないかッ!おまけに橋を吊っているワイヤーも心なしか細く見える。

おまけに雨が降っているので、スケルトンの上はツルツル滑りそう。
滑りそうなので、足に力が入る。足に力が入ると、動きがギクシャクして、ますます滑りそうになる。

若いカップルが、下を向いて急ぎ足で引き返した意味がココに来てようやくわかった。

とにかく、橋のゆれとツルツルで、身震いするほどの涼しさ。これは滝のしぶきのせいだけではなさそうだ。

勇気をふりしぼって、さらに進む。
中ほどまで進み、下を見ると、100メートル位下へ水が落下している。

ワイヤーにつかまって、写真を撮る。一瞬、谷底へ引き込まれそうな感じで、クラクラする。
まっさかさまに、水が落ちていく。天気が良かったら、もっと楽な気分で見れたのに。

もうこれ以上進むことは無理。足がすくんでしまって・・
高いところ大好きだったのに・・・ココはダメ!
引き返すことに。

橋を渡りきったところで、中年の夫婦とすれ違った。
「滝はどうでしたか?」と聞かれたので、「ええ、まあ」と答えた。

その後、橋のほうから先ほどの奥さんの声が聞こえてきた。「こぎゃん橋ば渡れんで、どぎゃんすっとネ!」

そういえば、ここは熊本県だった。



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