「奄美・今里慕情」歌詞三番の意味と解釈
(三)
珊瑚垣根(さんごかきね)も
巫女袖衣(ふるそで)も
赤く
夕陽に
染(そま)る頃
蛇皮線(じゃみ)に咽ぶ
島唄(ウタ)聞けば
茜(あかね)雲より
まだ熱く
 恋慕(おもい)は
燃えて
未練(みれん)影引(かげひ)く
今里よ
b
(三)       
      
さんごかきねも ふるそでも

あかくゆうひに そまるころ

ジャミにむせぶ ウタきけば

あかねぐもより まだあつく

おもいは もえて

みれん かげひく

いまざとよ

   

語句の意味
巫女袖衣   奄美には「ノロ」と呼ばれる、
         琉球王朝時代からの女性祭祀集団があった。
         これは、琉球王の姉妹が就いた聞得大君、
         つまり(チフジンガナシ)をトップとするヒエラルキー
         の下部組織で、奄美にもその地域の「ノロ」がい
         て、今里でもごく最近まで「ノロ」集団による
         神の送迎祭「迎え(ウムケ)」「送り(オホリ)」で
         踊られる「ソデフリ」の儀礼が執行されていた。
         ここでは、その「ノロ」の祭の儀礼で着る白衣を
         「ふるそで」と詠んだ。
蛇皮線     奄美沖縄の三味線は、蛇の皮が張られている
         ので(じゃびせん)と書くが、実際には中国で、
         「三線」と書くように、「サンセン」「サンシン」
         さらに、「サムシン」などと呼んでいるのが普通
         である。ここでは「ジャミ」と詠んだ。