(一)
潮の匂いの
する風が
今日も
吹いてる
漁村(いそジマ)よ
沖にゃ綾船(あやぶね)
通うのに
加那は帰って
来なかった
立神
洗う
瀬音遠く
鳴るばかり |
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語句の意味 |
漁村 漁師を奄美の方言では「イシュシャ」と言う。
また、村つまり集落のことを、「シマ」と呼ぶ
ここでは、漁村を私流に「いそ・ジマ」として、詠った。 |
綾船 「あやぶね」とは、昔、奄美の沖を通って、琉球王朝が慶 事のために薩摩の島津氏に送られた使節船のこと。
ここでは、沖を通る沖縄と鹿児島を繋ぐ定期船の意味。 |
加那 奄美では、愛しい者への尊称として「カナ」が用いられた。 |
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