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01/10/19&10/26 部落水道
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普段何気に使っている水道水。蛇口をひねれば、溢れんばかりの水が出てきます。 そして、料理に洗濯に荒い物やお風呂の水、ひいてはトイレにも使われているこの水、生活に欠かせないものです。 その水もここ大浦町には、「町水道」と呼ばれる水と「部落水道」もしくは「山水」と呼ばれる水があります。 「町水道」は、その名の通り町が運営している水道水のことで、私の知っている限りではここ20年ほど前に登場した水道です。大浦川から水を汲み上げ洗浄し、大浦町の各家庭に配水されています。 もう一方の「部落水道(山水)」は、各地区で管理されている水道水のことで、地区が保有している山の谷川や湧き水をその地区の家庭に配水しています。 人々が暮らしてゆくのにまず水の確保があります。 昔は川の水をそれぞれが使ったり、個人・共同で井戸を設置し、そこから汲み上げたりしていました。 それが次第に地区で水を引くようになり(部落水道)、最後は町で水を引くようになりました。 ですが、町水道は先ほども触れた通り近年の話で、今も大浦町の殆どの家庭に部落水道があります。 部落水道の特徴は、水道代が殆どかからないことと天然水だということです。 今回、久保地区の部落水道の水源を変更することになり、それを紹介したいと思います。 注:ここで使われている「部落」という言葉は、民家の一群を表す言葉であり、被差別部落等の問題とは関係ありません。 大浦町では、「地区」のことを昔「部落」と呼んでいました。今でも使われています。「部落水道」は、その言葉の名残りです。 |
久保地区は、今まで山の谷川の水を使っていました。設置したのは40年ほど前だということです。 これが今年の夏の日照りで水源が枯れるという事態があり、水源変更の話が持ち上がりました。 そこへ丁度、この夏の日照りでも全く枯れなかった山の湧き水の話があり、そこへ変更となったのです。 これがその水源です。 四角のコンクリート升で囲ってあります。 写真ではよく分かりづらいかもしれませんが、底から程よい勢いで水が湧き出ています。 底の岩がはっきり見えるほど綺麗な水です。水面には私も映ってしまいます。 先ほどの升からこちらの丸いコンクリート升へ配水されます。 ここで分水される訳ですが、何本ものパイプがあるのは、この水が久保地区だけの部落水道に使われる訳ではないからです。 |
と言うのは、部落水道だけでは有り余る水なので、柴内・久保・原地区共同の農業用水タンクや、金魚を養殖している方の池にも配水しようということになりました。そうすることによって移設費用の削減や工事に携わる人手が多くなり、移設がスムーズにいきました。 ですから、この水は久保地区だけのものではありません。 |
これは上の丸いコンクリート升の一番上に取り付けられた排水用のパイプから出ている水です。 近くに川があるのでそちらへ排水されます。 これだけ水質の良い水ですから飲んでも大丈夫です。 実際移設作業中飲んでみると、カルキのない自然な水の味でとても美味しかったです。 |
こちらは、水源からしばらく下ったところにある共同農業用水タンクです。 タンク一杯に水が配水され、いつでも利用可能になっています。 |
久保地区の部落水道タンクです。 丸いコンクリート升からこちらへ一旦配水されます。 タンクの中のパイプから先ほどの湧き水が送られてきています。 |
そしてこのタンクの下にあるパイプから各家庭に送られます。 久保地区は、だいたい40世帯ほどあるので使い切れない量の水だと思います。 驚くべきは、水圧を上げる機械を一切使っていないこと。 水源地からタンクまでの高低差で水が配水されています。 |
こうして久保地区の部落水道は、無事移設されました。 以前の水は、谷川の水だった為か雨が降った後など不純物が混ざっており、飲めないことがありました。 今回の水は、そういったことがありません。本当に綺麗です。カルキが入っていない天然水なのでお茶がより美味しくいただけます。 近く水質調査も行われるそうです。水源の近くに住んでいた人たちが昔から利用していた水ですし、湧き水なので良い結果がでるのは間違いないと思います。 今回私も工事に携わり、パイプを埋める作業に従事しました。 そこで感じたのですが、大浦町の山は、殆どが岩山です。だからこそ良質の湧き水がある訳ですが、パイプの溝を掘る時は難工事になります。今でこそ殆ど機械で溝を掘りパイプを埋めていきますが、昔は全て手作業だったはずです。 そういう先人達の苦労があって私たちは部落水道を利用してきました。 まだ町水道がなかった時代は、部落水道こそが唯一の水だった訳です。 先人達の歴史ある部落水道に少しでも携わえたことを私は嬉しく思いました。また、部落水道という地域の結びつきがなければ成しえない物が自分の住んでいる地域にあることを誇りに思います。 |
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