奄美徳之島は長寿の島/杉花粉の無い島・陸上競技冬期合宿大歓迎

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マングローブを夢見て!

 近年、徳之島の海岸地帯では護岸工事等の影響から殆どの砂浜が消滅して危機的な状況にあります。特に東シナ海に面した西海岸に位置する天城町では、北部地区のヨナマビーチ一帯でしか白い砂浜を見ることができません。
 徳之島子宝空港の東に広がるイノー(内海)は1965年(昭和40年)頃から始まったコンクリートの護岸工事が進むに従い、全ての砂浜と渚が消滅してしまいました。昭和30年代の頃の海岸はアダンが生い茂って防潮・防風林の役目を果たし、きれいな渚があたりまえにありました。アダンの中にはたくさんのオカヤドカリがいて、当時は魚釣りの餌として重宝だったことを記憶していますが、現在の海岸線には昔の面影を見ることはできません。
 その後、徳之島空港のジェット化のために滑走路を延長することになり、南側の海水の出入り口であったコミョーが閉ざされ、陸地の農地開発も相まってイノー(内海)にはヘドロが深く堆積し、貝やタコなどの生物が海藻と共に絶滅。さらには、松原漁港の整備が進むにつれて堤防が沖の方まで突き出した結果、潮の流れが変わってしまい、現在の徳之島空港滑走路の北部一帯のリーフ上に広がっていた広大な砂丘の流失が進んでわずかな砂が残されただけとなってしまいました。砂の無くなったところには、底に埋まっていた黒っぽい石がごろごろ転がった荒涼とした景観に変わり果ててしまいました。
 そのような環境の激変を目の当たりにして、イノー(内海)の奥まった場所のヘドロが多く堆積した場所にヒルギの植栽を思いつき、1996年(平成8年)頃から試験的に植えてまいりました。出張の際、鹿児島空港で沖縄産の小苗を購入して持ち帰り、自宅前の前川河口に植えこんだのが始まりでした。何度もチャレンジしましたが活着しません。ネットでヒルギのことについて調べるうちに、移植では難しく、種を直接植えることでしか栽培が出来ないことがわかりました。そこで、2003年(平成15年)沖縄の造園業「紅樹」の社長さんの協力を頂いて、沖縄から数千本のメヒルギノ種を入手し本格的な植栽に着手。松西の港川河口付近から天城町運動公園付近までの広範囲に、約1週間かけて実を挿していきました。年が明けて養殖アオサの収穫シーズンになると、潮に流されてきた残渣で覆い尽くされて枯れたり、引き抜かれたりして枯れてしまう木も結構ありましたが、2006年(平成18年)にはその一部に実がなり始めて感激したことは記憶に新しいところです。
 その後、なんとか生き残ったヒルギの木々に2011年(平成23年)から大量に実が生り始めて、広範囲に生育範囲を拡大しつつあります。現在、天城町総合運動公園周辺(西・北)・戸乃木団地西・南川河口・前川河口の4群落が形成されています。
 これまでの観察結果から、生育環境には条件があることがわかってまいりました。ヒルギガ育つための栄養源であるヘドロが堆積している場所で発根・発芽し成長していくということです。きれいな砂が堆積している場所でも芽吹きますが、栄養が無いために1〜2年で枯れてしまうこともわかりました。その結果、将来にわたってヒルギが生育範囲を広げるとしても、滑走路北端から総合運動公園までのエリア内で、ヘドロが堆積しているところに限定されると考えられます。すなわち、ヒルギが順調に生育している場所がヘドロのある場所ということになります。イノーを歩き回ってみますと、ほぼイメージが出来るのです。
 将来、マングローブ化が進むと野鳥の巣窟となり、航空機の運航に支障が出るのでは無いかと危惧する声も聞くところですが、人間が仕出かしてしまった環境破壊は今のところ修復する目処は立たない状況ですので、ヒルギの力を借りながら様子を見させていただきたいと思います。解決方法があるとすればただ一つ、空港整備計画の住民説明会で有った「海水の出入り口(コミョー)はトンネル等で確保するので環境汚染はありません。」を実行することです。そうすれば、堆積しているヘドロは自然にはけて元々あった環境に戻るでしょうから、ヒルギは自然消滅です。
 このようなことも視野に入れながら、出来れば島の子供たちと一緒にイノー(内海)を歩き、人為的な環境破壊によって失われた自然があることを体感させ、種を摘んで植えさせることで環境教育の一助にしたいと考えているところです。
 私は間もなく還暦を迎えますので、元気なうちにマングローブと呼べるほどの広がりを見ることは無いでしょう。しかし、次の世代に少しでも浄化したイノー(内海)を残したいし、出来ればアダンを復活させ、砂を抱かせて渚も取り戻したいという思いでこれからもイノー(内海)の脇で暮らし、自分でできる範囲のささやかな活動をしていきたいと思います。


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