骨 1kb

 
 
骨の入った箱が海に沈められた。その箱はゆっくりと沈んでいったが、途中、 箱が開き、骨が海底に散らばってしまった。

散らばったままではどうしてもいけないというので私が海の底へ集めに行く。 潜ると浅い海底の岩の間に彼の骨がいくつも見えた。 もう十年も前のものだから、色はくすんでいたが、 あらかた拾い終えた時、最後に半透明の薄い破片を見つけた。 大きさは掌に入る程。

手に取り、光にかざしてみるとプリズムのように、虹色を放った。 訊くとそれはショウノウという部分の骨らしい。 その骨を一つだけ、いつまでも持っていようと思った。


 
 
 
 

雑念9