出水市ツル博物館クレインパークいずみ

 国道328号線バイパスを、 出水市街地方面から国道3号線に向かって走ってると、 右前方に、写真のような白い建物が見えて来ます。 これが、「年間を通したツルとのふれあい」を目標として、 ツルと出水市の自然を紹介する、 出水市ツル博物館クレインパークいずみ、です。

 ツル博物館では、世界15種類のツルを、 はく製や実物大のカービング(木の彫刻物)で見ることができます。 その他、ツル渡来地の歴史、工芸品などが紹介されてて、 「出水市の自然とツルのあれこれを楽しく学ぶところ」、です。

石畳のアプローチ

 芝生張りのキレイな駐車場に車を止めて、東光山公園を見上げてから、 博物館の方に歩いて行くと、写真のような、石畳のアプローチが待ってます。


四季の庭

 石畳のアプローチの途中には、 四季の庭と言われる庭があります。 四季の庭は、ツルのふるさとであるロシア、モンゴル、中国の 四季折々の風景を、庭園づくりに表現したもので、 「春の庭」、「夏の庭」...と紹介してあります。
 写真の石は、中華人民共和国のモンゴルの近く、 ツルの営巣地にも近いところから取り寄せたものです。

 四季の庭と、緩やかに流れるせせらぎ、石、木、草花を眺めながら 石畳を歩いて行くと、博物館の入り口に到着です。

 緩やかに流れるせせらぎは、博物館の周りにも巡らされてて、 広場のあちこちで見ることができ、 暑い時期でも、涼しげな感じを与えてくれます。 ホントは禁止されてるのかもしれませんが、 裸足で入りこんで、水遊びしてる子供達もいたりして。


 正直なところ、地元の人にとってのツルは、 冬になると田圃で見かける、 鳴き声が聞こえて空を見上げれば飛んでる、 そんな日常のものであって、 観光として見るようなものではないと思うんですよ。 まぁ、東京に住んでる人が、毎日のように東京タワーを見てても、 上ったことがないのと同じようなもんです、ね。


 でも、よそから来た人にとっては、 日常では見ることのできないものだろうということで、 冬の観光として、正月時期の観光として、 ツル観察センターに、生のツルを見に連れて行くのが普通なのです。 というか、習慣みたいなもんです。
 そして、ドームシアターなどの観光的要素も取り入れた、 クレインパークいずみが完成して、 冬だけの観光名物だったツルが、一年中観光できるようになりました。


紙芝居

 博物館の中を、順路通りに歩いて行くと、 最初に、紙芝居風の映像を見せてくれるところがあります。
 映像機の中に、文字を書いたカルタのようなものが映し出され、 手を伸ばして、そのカルタをめくるような感じで映像に触れると、 次のカルタか、物語の映像が表示されるというものです。
 その他にも、回転造形など、様々な映像手法を用いた、 「ツル殺し裁判」、「ツルの湯」などの4つの物語の映像が見れます。 1台の映像機の前に、2つの椅子が置いてありますから、 仲良くご覧ください。

 その周りのガラスケースの中には、 ツルをモチーフにした陶芸品、工芸品、着物、切手、折りヅルなどが展示されてます。

床面立体地図

 館内で一番気に入ったものに、 床に埋め込まれた立体地図があります。 薄暗い館内の中でライトアップされてて、なんだかキレイです。
 出水市の地形や、名所と言われてる場所がよく分かり、 立体地図の上を歩いてると、 実際に住んでるボクなんかでも、なんだか懐かしい感じがします。
 帰省してきてた従兄弟なんかには、もっと懐かしいようで、 ヨチヨチ歩きの子供と一緒に、地図の上を歩きながら、 自分が育った実家の場所とか、 ウチ(山門ぶどう園。 残念ながら、立体地図には、「山門ぶどう園」とは書いてありませんが。) の場所とか、話してました。

 立体地図の周りには、4台のマルチメディア装置が設置されてて、 「出水探訪」、「冬の使者」、「郷土芸能」を、映像と音で紹介してます。 画面の中の言葉や絵を指で触れると、その説明が始まります。
 バードビューによる出水市の名所紹介は、 キレイなCG画像により案内されて、ビデオ撮影された映像が映し出されます。 郷土芸能は、太鼓や踊り、ボクの知らないものばかりです。

 マルチメディア装置の周りには、 元禄元年(1688年)の海岸線を示す地図から始まり、 江戸時代の記録、戦争、干拓などの歴史と ツルの渡来数の推移を紹介するヒストリーポールがあり、 明治維新のころと太平洋戦争時には、ほとんど渡来しなくなり、 戦争が終わり平和な時代になって、多数、渡来するようになってきたことが分かります。 これは、人々の心が乱れ、乱獲されたときは渡来数が減り、 保護され始めると増えてきていることを示してます。
 壁に埋め込まれたガラスケースには、 ツルの模型などが展示されてます。

ドームシアター

 直径15mのドームスクリーンによる巨大映像と立体音響のシアター、映画館です。 「風の記憶−ツルのくるまち出水」というタイトルで、 父と子が、出水市にやってくるツルの「渡り」の不思議さに興味を持ち、 昔の記憶をたどりながら「ツルの来る道」を探すという物語です。 ツルの繁殖地である中国や、越冬地出水市でのツルの様子、 空から見た出水市の自然を、映像化したものです。
 制作費なんかは、かなり違うと思いますけど、 ディズニーランドビジョナリウム、だったかな、 名前覚えてないですけど、あんな感じのものです。
 飛翔体験と書いてありますから、 多分、ツルの群れの中に入ったような感覚で、出水市を見てまわれると思いますから、 立体地図以上に、出水市の地形を感じることができると思います。
 実は、まだ見てないんで、ここで感想言えないんですけど、 博物館で上映するものですから、笑いはないかもしれませんが、 臨場感と感動を与えてくれることでしょう。

卵型展示物

 これは、「鍵盤をたたくと、ツルの声のドレミファソラシド」というもので、 腕に自信のある人は、 フクロウ、ツル、ヒバリの鳴き声のどれかを選んで、オルガンを弾いてみて下さい。
 その他にも、鳥の卵をかたどった展示物が多数あります。 中には、ゲーム感覚で遊べるものもありますから、 お子様は、挑戦してみて下さい。

 ロシアで採集したナベヅルの巣は、日本では、ここでしか見られないものです。 また、寝姿の映像も、特殊な撮影で得られた貴重なものです。

第5回企画展「鳥のからだ」

 1階の企画展示室では、 ツルに限らず、出水の自然や歴史に関する広範囲なテーマを定め、 写真、グラフィックス、はく製、ジオラマを中心とした展示が、 年1〜3回計画されてます。
 現在は、「鳥のからだ」に関する展示が行われており、 鳥の骨格模型、はく製、いろんな鳥の羽、卵などが見れます。 お子様と一緒に行って、勉強して下さい。
 この「鳥のからだ」企画展は、 平成8年11月1日〜平成9年3月2日まで、開催されてます。

 尚、これまでに開催された企画展は、
    *第1回企画展「いずみの自然」
    *第2回企画展「絶滅が心配される動物たち」
    *第3回企画展「日本の特別天然記念物(動物編)」
    *第4回企画展「世界のチョウ」
でした。 展示物は残ってないかもしれませんが、 参考資料くらいなら、学習室などに残ってるかもしれません。 興味のある方は、ご来館のときにでも、係りの人にお尋ね下さい。

予定

  1. 企画展
  2. 自然科学教室
  3. 押し花アート教室
  4. 昆虫・貝・植物の名前を調べる会

学習室

 ツルを研究する人達に、専門知識を提供するために、 常設展示「ひと」、「まち」、「自然」の参考となる 資料、書籍、映像ソフトが収納されてて、 閲覧することができます。

 ここは、学習室なのですが、 館内で、子供達の声が一番聞こえたのは、ここでした。 勉強熱心なお子様が多かったのかどうかは分かりませんが、 コンピュータ画面を使って、ツルについておもしろおかしく学べる、 「Q&Aコーナー」が人気のようで、 友達だか、姉妹だか分かりませんが、コンピュータ相手のQ&Aを競争してるようでした。 そう、まるで、TVゲームの点数を競うかのように。



 地元の人にとってのツルは、日常的に見る、普通のものですが、 ツルを日常のものと感じてない人が見に来たら、 出水市の自然とツルのあれこれを楽しく学びたいと思ってる人が見に来たら、 興味をひかれることと思います。 そういう人にお勧めです。
 それに、従兄弟の子供は、喜んで見てた、というか、走り回ってましたから、 多分、視点が違うと、見え方が違うんだと思います。 子供にとっては、自分よりも大きいツルのはく製や模型が、 すぐそこに見れるわけですから。

 館内の展示物の詳細は、「行ってからのお楽しみ」だと思いますから、 あんまり掲載しませんでした。 どうか、出水市まで、実物を見に来て下さい。
 尚、全国科学博物館協議会 出水市ツル博物館クレインパークいずみのページでも、 館内が紹介されてますから、そちらもご覧下さい。

遠足なんかに如何でしょう...

 学校、保育園、幼稚園の先生の皆様、クレインパークに、 遠足に来てみませんか。 野外教室として、勉強しに来てみませんか。
 本編には書きませんでしたが、クレインパークには、ツル博物館だけでなく、 野鳥の森、野鳥の池、野鳥観察小屋、芝生広場などがあり、 大勢の生徒さんが、おやつ食べたり、弁当食べたり、 レクレーションしたりするスペースがたくさんあります。 運動したい人には、米ノ津川沿いのジョギングロードが、 砂遊びしたい子には、キッズフィールド(砂場)があります。 そして、ツル博物館に入れば、生物の勉強もできます。
 遊んで、勉強して、と両方できるのですから、 遠足にはもってこいの場所じゃないでしょうか。 是非、ツル博物館に問い合わせて、適当な企画展があるときにでも、 下見においでください。
 

問い合わせ先

     出水市ツル博物館 クレインパークいずみ
郵便番号 899−02
住所   鹿児島県出水市文化町1000番地
TEL  0996−63−8915
FAX  0996−62−8915
駐車場  普通車212台+バス5台
開館時間 9:00〜17:00(16:30までに入館して下さい。)
休館日  4月〜10月・・・月曜日(祝日のときは、その翌日です。)
     11月〜3月・・・無休
             *この他にも、臨時休館日があります。
料金
ツル博物館入館料 ドームシアター観覧料
大人 310円 310円
高校生・大学生 210円 210円
小学生・中学生 100円 100円
      *20人以上の団体様は、上記料金の2割引きです。
      *特別企画に限り、別途料金がかかる場合があります。

ドームシアター「風の記憶−ツルのくるまち出水」上映時間(約17分間)
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回
上映時間 9:30 10:30 11:30 13:15 14:15 15:15 16:15
      *座席数は、110席です。

風雨の強い日、身体の不自由な方の利用について
   管理通用口から入館できます。
  管理通用口のインターホンで連絡すると、職員さんが対応してくれます。
  駐車場も、本館脇にあります。


その他、ツル関係ホームページ

  1. 出水のツル
     「ふるさと出水市」の中の1ページなのですが、 ツルの種類、ツルの家族、渡来数など、ツルに関する詳しい説明が掲載されてます。 ツルの鳴き声も聞けます。
  2. 鶴はかせ
     山口県東部の熊毛町の北部、”ツルの里”八代盆地の守田千秋さんのホームページです。 キレイな鶴の写真、鶴の物語などが掲載されてます。
  3. 大阪市立自然史博物館
     「人類の活動とともに、自然はどう変わってきたのか。」、 人間との関わりの中での自然発達史を理解してもらうために造られ、 展示をはじめとした諸活動が行われてます。


ホームページの作者 & インターネットの連絡先

作者   山門洋(やまかど ひろし)@山門ぶどう園
住所   鹿児島県出水市下知識町1116番地
E-MAIL  roshiroshi@po2.synapse.ne.jp
URL    http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/


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最終更新日:1999年7月12日
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