数字 |
1秒率 (いちびょうりつ)
【呼吸器関連用語】 FEV1.0%
1秒間にできるだけ速く吐き出したガス量が、努力肺活量の何%に相当するかという指標。
COPDでは末梢気道の閉塞によりこの値が低くなる。
正常は70%以上である。
A |
A-aDO2 (えーえーでぃおーつー)
【記号・省略語】肺胞気‐動脈血酸素分圧較差
肺胞気と動脈血のガス分圧の差は炭酸ガスではほとんどみられない(PAco2≒Paco2)が、酸素分圧については明らかな差がみられる。
これを肺胞気‐動脈血酸素分圧較差といい、肺における血液酸素化能を表す指標になる。
正常では10mmHg以下であるが、年齢とともに増加する。大きいほど酸素化が悪い。
このA-aDO2の大きさは肺におけるガス交換障害の程度を表している。
A-aDO2が大きくなる原因として、@換気・血流比(VA/Q)の不均等分布、Aガス拡散障害、Bシャント(しゃんと)の増大、C吸入酸素濃度の増大、が考えられる。
ちなみに炭酸ガスでは肺胞気と動脈血のガス圧の差はほとんどみられない。
→肺胞気‐動脈血酸素分圧較差
[←先頭へ]asisst ventilation (あしすとべんちれーしょん)
【モード名】
→補助換気
[←先頭へ]A/C (あしすと/こんとろーる:Assist/Control)
患者の吸気努力があれば、それをトリガして強制換気を行い、吸気努力がなければ、設定された最低換気回数と一回換気量分だけの換気を行うモード。設定換気回数以上の吸気努力に対しても同期して強制換気が行われるため過換気に注意する。また自発呼吸全てに強制換気が行われるため、プレッシャーサポート(PS)はかけることができない。この点がSIMVと異なる。PEEPは付加できる。トリガは圧トリガでもフロートリガでもOK。
[←先頭へ]ARDS (えーあーるでぃーえす)
急性呼吸促迫症候群、成人呼吸窮迫症候群
急性発症し、X線写真上両側びまん性の浸潤影を認め、PaO2/FIO2<200といった酸素化障害があり、心不全に起因しない(心原性ではない)肺水腫をいう。原因は多岐にわたり、敗血症や多臓器不全(MOF)と関連する。
→急性呼吸窮迫症候群、 急性呼吸促迫症候群、 成人呼吸窮迫症候群
[←先頭へ]B |
BB (ばふぁーべーす)
【呼吸器関連用語】buffer base 緩衝塩基
体の中で塩基として働く塩基つまり重炭酸イオン、リン酸1水素イオン、蛋自質などの総量を緩衝塩基という。
血液での正常値は46mEq/Lぐらいである。
ただし蛋自質の中ではヘモグロビンが大きな役割をしており、ヘモグロビン濃度の変化によって、緩衝塩基の量は大きく変動する。
これら緩衝塩基は体内で水素イオンが増えたとき、その水素イオンを結合状態の水素イオンにしてしまい、遊離水素イオン濃度の増加を抑える働きをする。
BE (べーすえくせす:base excess)
【呼吸器関連用語】 塩基過剰(過剰塩基)
37℃、Paco2 40mmHgのとき、1Lの血液のPHを7.40にもどすために必要な酸または塩基の量をmEq/Lで表したもの。
このBEは緩衝塩基(かんしょうえんき)の正常値からの偏差値を表す。
BEはアシドーシスが呼吸性のものか代謝庄のものかを見分けるパラメータである。
BEが正常(正常値はゼロ)ならばアシドーシスは純粋に呼吸性であり、BEがマイナスの値をとれば代謝性アシドーシスの要素が加わっていることを示す。
C |
Cdyn (だいなみっくこんぷらいあんす)
【呼吸器関連用語】
一回換気量と吸気終末気道内圧との比をいう。
ここで吸気終末気道内圧とは、吸気の終わりで肺内の圧がある程度均一化した状態での気道内圧をいう。
→ダイナミックコンプライアンス、 ダイナミットクコンプライアンス
[←先頭へ]Ceff (じっこうこんぷらいあんす)
【呼吸器関連用語】
人工呼吸中、一回換気量を吸気中の一番高い気道内圧(ピーク圧、PIP)で割った値(VT/PIP)をいう。
PIPは気道抵抗にも依存ため、この実行コンプライアンスには気道抵抗の要素も加わる。
CO2ナルコーシス (しーおーつーなるこーしす)
高炭酸ガス血症が高度になって重症呼吸性アシドーシス、自発呼吸の減弱、意識障害を認める症候群。COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の急性増悪のときや酸素投与などで認められる。
[←先頭へ]COLD (こーるど)
【病名】
[←先頭へ]COPD (しーおーぴーでぃー:chroninc obstructive pulmonary disease)
【病名】
慢性閉塞性肺疾患
COLD(chroninc obstructive lung disease)ともいう。
肺気腫、喘息、慢性気管支炎など末梢気道の閉塞と肺の過膨張を特徴とする疾患である。
CPAP (しーぱっぷ:continuous positive airway pressure)
【モード名】
持続気道陽圧
自発呼吸のモードであり、強制換気はない。
自発呼吸の全過程を通して陽圧がかかっている状態。
PEEPとは個々のモード中の呼気終末にかかっている陽圧そのものをさし、呼吸のいちモードであるCPAPとは基本的に異なる。
D |
DLV (でぃーえるぶい)
【モード名】
[←先頭へ]E |
ECMO (えくも)
【モード名】
体外循環を行い人工肺で血液を酸素化して、再び体に血液を戻す方法。
通常、下大静脈から脱血し、人工肺を通り上大静脈に返血することが多い。
重症呼吸不全患者に対し、膜型人工肺を用いて、ガス交換(酸素化と炭酸ガス除去)を行うことがある。将来的には、炭酸ガス除去を目的とした流量の少ない小型のECMOの使用も検討されている。
肺でのガス交換のうち、酸素の摂取(酸素化)には肺血流が充分にあることは必要であるが、高濃度の酸素を投与すれば、換気運動は必ずしも必要ではない。
これに対し、炭酸ガスの除去には換気が必要であるが、血流は少なくてよい。このため、肺を膨らませ静止状態で酸素化をさせる(いわゆる無呼吸酸素化apneic
oxygenation)ようにさせ、一方炭酸ガスの除去には小型の少流量膜型人工肺を用いる方法が試みられている。
EIP (いーあいぴー:end-inspiratory plateau)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]ETCO2 (いーてぃーしーおーつー)
【呼吸器関連用語】終末呼気炭酸濃度 end tidal CO2
カプノメーターで測定する。
持続的に気道内炭酸ガス濃度を測定することは、呼吸器回路にまつわる問題を探知できる最も有効な方法である。単に濃度だけでなく、その波形を知ることによってより多くの情報が得られる。通常4つの相からなる波形が描かれる。
ETCO2は肺胞内炭酸ガス濃度(PACO2)、ひいては血中炭酸ガス濃度(PaCO2)と強い相関関係があるが、一般的にはPACO2より、0〜3mmHg低い。
→終末呼気炭酸濃度、 カプノグラフ
[←先頭へ]F |
FEV1.0% (えふいーぶいいちぱーせんと)
【記号・省略語】
→1秒率
[←先頭へ]FIO2 (えふあいおーつー)
【記号・省略語】
FのあとのIは大文字だが、Fより小さく書く。
FRC (えふあーるしー)
【記号・省略語】
[←先頭へ]FVC (えふぶいしー)
【記号・省略語】
[←先頭へ]f (えふ:frequency)
【記号・省略語】
人工呼吸機で設定した換気回数。
H |
HFJV (えいちえふじぇいぶい:high frequency ventilation)
【モード名】
高圧のガス減を高速度で遮断および解放を繰り返して(およそ1〜6Hz)ジェット流を作り換気を行う。
1回換気量は約2−4ml/kgとなる。
気道が開放する、ラリンゴマイクロ手術、気管気管支手術などで適応となる。
HFO (えいちえふおー:high frequency occilation )
【モード名】
ピストンポンプを5-40Hzの頻度で浸透させて、1回換気量1−2ml/kgといった非常に少ない1回換気量で行う人工呼吸法。
肺の未熟な気管支肺異形成、呼吸窮迫症候群、横隔膜ヘルニアなどに応用されている。
→高頻度振動換気法
[←先頭へ]HFPPV (えいちえふぴーぴーぶい:high frequency positive pressure ventilation)
【モード名】
1回換気量3〜4mL/kgを用い,1〜2Hz(60〜100回/分)の換気を行う方法。
HFV (えいちえふぶい:high frequency ventilation )
【モード名】
生理的呼吸回数の4倍以上の換気回数と、非常に小さな一回換気量を用いて行う人工呼吸の総称をさす。
高頻度陽圧換気法(HFPPV)、高頻度ジェット換気法(HFJV)、高頻度振動換法(HFO)などを含む。
I |
I:E比 (あいいーひ)
【呼吸器関連用語】
吸気時間呼気時間比
吸気時間と呼気時間の比。正常では呼気時間が長くI:E比は1:2である。
この比を変化させることで気道内圧を調節することができる。
例えば、1:2から1:3にしたら気道内圧は上昇する。
なぜなら、短い吸気時間に決まった換気量を入れるためには、吸気流速(スピード)を上げる必要があり、吸気流速(スピード)が上がると気道内圧は上昇する。
IPPV (あいぴーぴーぶい:intermittent positive pressure ventilation )
【モード名】
間欠的陽圧換気
エビタシリーズ以外はほとんど使われないが、CMV、Control、などとほぼ同じ意味。
lPPV にPEEPがかかったモードをCPPV(continuous positive pressure ventilation)という。
IRV (あいあーるぶい)
【モード名】
正常の吸気、呼気時間の比率を逆転させた換気方法。
たとえば、I:E比を4:1とかにする。
1回換気量を保ったままピークフローや最高気道内圧を下げられ、平均気道内圧を維持できる。
虚脱した肺がふくらみやすくなるとされる。
M |
MlP (えむあいぴー)
【記号・省略語】
[←先頭へ]MMV (えむえむぶい)
【呼吸器関連用語】
mandatory minute venti1ation 強制分時換気
minimum minute venti1ation 最低分時換気
MOF (えむおーえふ)
【病名】
multiplu organ failure
呼吸不全、心不全、腎不全、肝不全などの多数の臓器が同時に障害を受け、機能不全に陥っている状態をいう。
MV (えむぶい)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]N |
NIPPV (えぬあいぴーぴーぶい)
【モード名】
P |
Pa02/FiO2 (ぴーえーおーつーえふあいおーつひ)
【呼吸器関連用語】PFratio
肺の酸素化能を評価する1つの方法。
吸入気酸素濃度に対する動脈血中の酸素分圧の比で表す。
簡便なためによく使用される指標である。
350以上が正常である。
PEEP (ぴーぷ:positive end expiratory pressure)
【呼吸器関連用語】
呼気の気道内圧がゼロにならないように一定の圧をかけることで、すべてのモードに適応されうる。
肺胞の虚脱を防止し、血液の酸素化を改善する。
CPAPとは呼吸モードの1つであり、PEEPとは圧自体をさす。
PlP (ぴーあいぴー)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]Pressure support ventilation (ぷれっしゃーさぽーとべんちれーしょん)
【モード名】
[←先頭へ]PSV (プレッシャーサポートベンチレーション:Pressure support ventilation)
【モード名】
患者の吸気努力により吸気が開始され(患者トリガ)、設定した圧まで吸気圧を維持する換気モード。
吸気時間、一回換気量、呼吸回数を決定するのは患者自身。
患者と人工呼吸器の同調性がよいことが特徴。
→圧支持換気、 Pressure support ventilation
[←先頭へ]PFratio (ぴーえふらしょー/れしお)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]S |
SaO2 (えすえーおーつー)
【記号・省略語】
サチュレーション
動脈血液ガス分析で測定した動脈血酸素飽和度
SIMV (えすあいえむぶい:synchronized intermittent mandatory Ventilation)
【モード名】
患者の吸気努力をトリガして設定した換気回数分だけ、白発呼吸と同調して強制換気が開始される。
この強制換気は量規定・圧規定のどちらも可能である。
無呼吸となってもSIMV回数は最低強制換気を行うモード。
最も頻繁に使われるモード。PEEP、PSの併用が可能。
Sp02 (えすぴーおーつー)
【記号・省略語】
サチュレーション
パルスオキシメーターで測定した動脈血酸素飽和度
V |
V/Qミスマッチ (ぶいきゅーみすまっち)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]VAP (ばっぷ)
【病名】venti1ator associated pneumonia
挿管、人工呼吸管理中に発生する肺炎をさす。
グラム陰性桿菌によるものが多い。
呼吸回路からの感染だけではなく、消化管由来の細菌も関与するとされている。
消化性潰瘍薬投与による胃内pH上昇との関連が重要視されている。
VC (ぶいしー)
【呼吸器関連用語】
→肺活量
[←先頭へ]VE (ぶいいー)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]VlLl (ぶいあいえるあい)
【病態】venti1ator induced lung injury
人工呼吸に併発する種々の肺損傷をさす。
圧外傷や肺実質損傷のかたちをとる。
圧外傷を避けるためには最高気道内圧は40cmH20(3.92kPa)以下で管理するが、圧だけでなく肺局所の過膨張も重要視されている(barotrauma)。
VT (ぶいてぃー)
【呼吸器関連用語】tidal Volume
[←先頭へ]Z |
ZEEP (じーぷ)
【呼吸器関連用語】Zero end expiratory pressure
呼気終末ゼロ圧。
PEEPがOcmH20をさす。
呼気終末を完全に大気に開放にして気道内圧をOcmH20にすること。
あ |
アシストコントロール (あしすとこんとろーる:Assist/Control)
→A/C、 assist/CMV
[←先頭へ]アッセンブリ (あっせんぶり:assembly)
【呼吸器メカ用語】
(部品、機械などの)組み立て品
アンプリファイア (あんぷりふぁいあ:amplifier)
【呼吸器メカ用語】
増幅器
ウィーニング (うぃーにんぐ:Weaning)
【呼吸器関連用語】
人工呼吸管理から離脱すること、人工呼吸管理が不必要となったことをさす。
抜管することではない。
離脱に際しては、原因が除去されており、酸素化が改善し、呼吸回数、心機能が適正化されていることが条件である。
ウォータトラップ (うぉーたーとらっぷ:Water trap)
【品名】
呼気回路や吸気回賂の途中に回路内の水滴を集めてためるもの。
細菌繁殖の培地となるために、患者口側への逆流に注意するほか、頻繁に排液する必要がある。
エアインレットフィルター (えあいんれっとふぃるたー:air inlet filter)
【呼吸器メカ用語】
空気取り入れ口のフィルター
エアトラッピング (えあとらっぴんぐ:airtrapping)
【呼吸器関連用語】
急性慢性の閉塞性肺疾患などで、呼気が終了しないうちに末梢気道が閉塞してしまい、呼気が肺胞内に取り残されること。(空気とらえこみ現象)。
呼気時間を十分とる必要がある。
エクスハレーションバルブ (えくすはれーしょんばるぶ:exhalation valve)
【呼吸器メカ用語】
呼気弁
オートピープ (おーとぴーぷ:auto-PEEP)
【呼吸器関連用語】
呼気相で呼気が完全に呼出されない結果生じる意図しないPEEP。
喘息、COLDなどによるエアートラッピングによっても生じるし、多い換気回数、IRV、HFVの最中に発生する。
循環抑制や肺の過膨張などが問題となる。
オーバープレッシャーリリーフバルブ (おーばーぷれっしゃーりりーふばるぶ:over-pressure relief valve)
【呼吸器メカ用語】
過剰な圧を開放する弁。安全弁の一種。
オリフィス (おりふぃす:orifice)
【呼吸器メカ用語】
口、孔(管・筒などの開口部の)
圧サイクル式 (あつさいくるしき)
【呼吸器関連用語】 pressure cycled type
吸気の終了が気道内圧で規定されている方式。
気道内圧があらかじめ設定された圧に達すると、吸気から呼気に移り変わる。
一回換気量は肺のコンプライアンスや気道抵抗により変化するので、換気量のモニタが必要。
圧外傷 (あつがいしょう)
【病態】 barotrauma
何らかの肺疾患が存在し、人工呼吸による高い気道内庄と肺の過膨張が加わって生じる肺の損傷。
その圧は最高気道内庄40cmH20(3.92kPa)、プラトー圧で35cmH20(3.43kPa)以上が危険と考えられている。
気胸などが代表的。
→barotrauma、 最高気道内圧、 気胸、 気道内圧、 バロトラウマ
[←先頭へ]圧規定式人工呼吸 (あつきていしきじんこうこきゅう)
【呼吸器関連用語】
吸気の上限(リミット)が気道内圧で制限されるような人工呼吸。
気道内圧の異常な上昇はないが、気道のコンプライアンスや抵抗により換気量が変化する。
圧支持換気 (あつしじかんき)
【モード名】
→PSV、 Pressure support ventilation
[←先頭へ]一回換気量 (いっかいかんきりょう)
【呼吸器関連用語】 tidal volume VT
一回の呼吸で吸う量。
正常では7〜9mL/kg(約500mL)。
正常肺であれば人工呼吸中は約10mL/kgで設定する。
最近はもっと少なくてもいいという報告もある。(7~〜8mL/kg)
分時換気量を1分間の呼吸回数で割ったり、吸気時間と吸気流速の積によっても決定される。
か |
カスケードヒューミディファイア (かすけーどふゅーみでぃふぁいあ:cascade fumidifier)
【呼吸器メカ用語】
カスケード型加湿器
カプノグラフ (かぷのぐらふ:Capmogmph)
【呼吸器関連用語】
カプノグラフでモニターしているものは、呼気炭酸ガス濃度である。
呼吸が安定すれば、安定した呼気炭酸ガス濃度曲線が得られる。
呼気終末でプラトーが形成されるなら、呼気終末炭酸ガス濃度(ETC02)は肺胞内炭酸ガス濃度とみなされる。
炭酸ガス分圧は動脈血と肺胞の間に大きな差がないので、ETC02は動脈血炭酸ガス濃度に近似できる。
しかし、呼吸数が多かったりして終末プラトーが形成されなければ、呼気炭酸ガス濃度によって動脈血炭酸ガス濃度を近似することはできない。
呼気炭酸ガス濃度を決定するのは、@炭酸ガス産生量、A肺胞換気量、B肺循環(および換気血流関係)の3つである。
したがって、カプノグラフはこれら3つの総合的指標である。
これら3つのうち2つが一定であるなら、呼気炭酸ガス濃度は残りの1つの指標となる。
→呼気終末炭酸ガス濃度、 ETC02、 ETCO2
[←先頭へ]ギラン・バレー症候群 (ぎらんばれーしょうこうぐん)
【病名】Guillain-Barre syndrome
上気道感染や下痢などの先行感染症状の後に,四肢の脱力をきたすような運動神経障害を主体とする末梢神経障害である。
呼吸筋力低下に伴う肺胞低換気や咽頭喉頭筋力の低下に対して挿管、人工呼吸が必要なことがある。
コンプライアンス (こんぷらいあんす)
【呼吸器関連用語】
肺や胸郭の伸びやさ、やわらかさ、膨らみやすさを表す指標。
圧変化に対する容量変化の割合。
コンプライアンスが高いとは伸びやすいということ。
肺炎、ARDS、心不全などの病的状態では一般的にコンプライアンスは低下する。
→気道内圧
[←先頭へ]コンプレッサー (こんぷれっさー:compressor)
【呼吸器メカ用語】
(ガス)圧縮装置、圧縮ポンプ
換気血流比の不均等分布 (かんきけつりゅうひのふきんとうぶんぷ)
【呼吸器関連用語】
換気血流比とは換気と血流の分布の一致性を表す指標。
1に近ければ理想的で、正常の比はO.8。(だいたい 心拍出量4L/分:分時換気量5L/分 = 0.8)
換気のある部位に血流がなかったり、血流がある部位に換気がなかったりすると、低酸素血症を生じるということ。
緩衝塩基 (かんしょうえんき)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]還元ヘモグ□ビン (かんげんへもぐろびん)
【呼吸器関連用語】
酸素が解離した(ついていない)ヘモグロビンをさしていう。
陥没呼吸 (かんぼつこきゅう)
【病態】
上気道閉塞時などの急性呼吸不全時に、強い努力性呼吸のために下気道に強い陰圧が生じ、肋間や胸骨切痕上などの部位が体の内方に向かって陥没すること。
気道および呼吸系の危機と判断し早急に対処が必要である。
奇異呼吸 (きいこきゅう)
【病態】
呼吸不全時には横隔膜,肋問筋やその他の呼吸補助筋が疲労するために、胸郭運動に対する協調性が悪くなる。
その結果、吸気時の横隔膜の収縮に対して肋間筋収縮が遅れるために、腹が膨らみ胸が陥没するパターンとなる。
機能的残気量 (きのうてきざんきりょう)
【呼吸器関連用語】
安静呼気時に肺の中に残存しているガス量。
→FRC
[←先頭へ]気胸 (ききょう)
【病名】
なんらかの理由で肺が破裂して、胸腔に空気が溜まってきた状態。
人工呼吸中に気道内圧が高くなると生じる可能性があり、このような場合、圧外傷とよぶ。
進行すると緊張性気胸となり、心停止が切迫するので早急に対処が必要。
→圧外傷
[←先頭へ]気道内圧 (きどうないあつ)
【呼吸器関連用語】airway pressure
その名のとおり、気道内にかかる圧のこと。
一般に使われている人工呼吸では気道内が陽圧になり、などの圧外傷をきたす恐れがあるため、気道内圧のモニターは重要である。
気道内圧を左右するものに、吸気圧、一回換気量、吸気流速、気道抵抗、PEEP、コンプライアンス、吸気努力、咳嗽反射、などさまざまな要因がある。
吸気フローパターン (きゅうきふろーぱたーん)
【呼吸器関連用語】
通常回路内の流速波形(流速の経時的変化)をさす。
矩形波形、台形波形(漸増型、漸減型)、S状(サインカーブ)波形など。
吸気ポーズ (きゅうきぽーず)
【呼吸器関連用語】
吸気圧 (きゅうきあつ)
【呼吸器関連用語】inspiratory pressure
人工呼吸器によって換気されるとき、気道内にかかる圧のこと。
吸気圧は従量式(量規定式)人工呼吸では一回換気量、PEEP、気道抵抗、肺胸郭コンプライアンス、吸気流量によって変化する。
従圧式(圧規定式)人工呼吸では最高気道内圧(PIP)が設定されているので、一回換気量が変化する。
吸気時間呼気時間比 (きゅうきじかんこきじかんひ)
【呼吸器関連用語】
吸気時間と呼気時間の割合
→I:E比
[←先頭へ]吸気終末プラトー (きゅうきしゅうまつぷらとー)
【呼吸器関連用語】 end-inspiratory plateau プラトー(Plateau)
吸気が終了してもすぐに呼気を開始しないで、そのままの高い気道内圧を保つこと。
これにより肺内の吸気ガス分布が改善し酸素化が改善する。
吸気相 (きゅうきそう)
【呼吸器関連用語】 insp.
人工呼吸器の吸気弁が開いてから吸気ガスが患者に供給されている相。
気道内圧が徐々に高まる相。
吸気流速 (きゅうきりゅうそく)
【呼吸器関連用語】 inspratory flow
単位時間に送り込まれる吸気。ガスを送り込むスピード。
従量式(量規定式)人工呼吸(一回換気量が一定)の場合、吸気流速を変えると、吸気波形や吸気時間も影響を受けて変わる。
→ピークフロー
[←先頭へ]吸入気酸素濃度 (きゅうにゅうきさんそのうど)
【呼吸器関連用語】
空気の吸入ではFI02=O.21(21%)。純酸素はFI02=1.0(100%)。
酸素による毒性を考え,FI02はできるだけO.6より低く設定することが推奨される。
注) FI02のIは大文字だから、Fより小さく書く。
→FIO2
[←先頭へ]急性呼吸促迫症候群 (きゅうせいこきゅうさくはくしょうこうぐん)
【病名】
→ARDS
[←先頭へ]急性呼吸不全 (きゅうせいこきゅうふぜん)
【病名】acute respiratory failure
呼吸不全とは、原因のいかんを問わず、Pa02とPaC02の異常により生体が正常の機能を営めなくなった状態をさし、空気吸入下でPa02≦60mmHg(8kPa)に相当する呼吸障害と定義される。
週単位で悪化するものを急性呼吸不全という。
→呼吸不全
[←先頭へ]強制分時換気 (きょうせいふんじかんき)
【モード名】mandatory minute ventilation
患者白身の分時換気量が一定値以下になった場合に、設定された強制換気を開始すること。
最低分時換気とほぼ同義。
→MMV
[←先頭へ]経皮的気管穿刺 (けいひてききかんせんし)
【処置・検査】
輪状甲状靱帯を穿刺すること。
気道分泌物の多い患者に対してて気道浄化目的で細いカニューレを挿人したり、緊急時の気道確保として穿刺する場合もある。
この際、HFVをここから行うことも可能である。
呼気終末ゼロ圧 (こきしゅうまつぜろあつ)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]呼気終末陽圧 (こきしゅうまつようあつ)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]呼気相 (こきそう)
【呼吸器関連用語】exp.
呼気弁が開放して呼気カ耕出される相で、通常患者の胸郭の弾性や気道抵抗により呼気がもたらされる。
PEEP)はこの相にかけられる圧である。
呼気抵抗 (こきていこう)
【呼吸器関連用語】
呼気相に生じる抵抗をさす。
患者自身の気道抵抗や気管チューブ、蛇管などの呼気回路の抵抗、さらに呼気弁の抵抗などがある。
呼気分時換気量 (こきふんじかんきりょう)
【呼吸器関連用語】expiratory minute volume
1分問に換気する量。
量規定式人工呼吸なら呼気一回換気量×1分問の呼吸回数である。
呼吸回路におけるリークを検出するには、呼気の分時換気量を測定するほうが安全である。
→VE
[←先頭へ]呼吸不全 (こきゅうふぜん)
【病名】respiratory failure
種々の原因によりPa02とPaC02が異常値を示し、生体が正常な機能を営めなくなった状態。
空気吸入下のPa02が60mmHg(8kPa)以下の呼吸障害をさし、PaC02が正常なものはI型(酸素化障害)、PaC02が45mmHg(6kPa)を超えて異常なものをU型(換気障害)と分類する。
週単位で悪化するものを急性呼吸不全という。
高頻度ジェット換気法 (こうひんどじぇっとかんきほう)
【モード名】
→HFJV
[←先頭へ]高頻度換気 (こうひんどかんき)
【モード名】
1回換気量を3−4ml/kgを用い、1−2Hz(60−100回/分)の換気を行う方法である。
混合静脈血 (こんごうじょうみゃくけつ)
【呼吸器関連用語】
肺動脈血のこと。
酸素化を受ける直前の血液で、酸素飽和度が非常に低い。
さ |
サーファクタント (さーふぁくたんと)
【呼吸器関連用語】
肺胞のU型細胞から分泌され、表面張力を低下させ肺胞が虚脱しないように作用している物質。
このサーファクタントを補充する治療方法は、小児のRDSでは有効性が確認されている。
サーミスター (さーみすたー:thermistor)
【呼吸器メカ用語】
半導体感温素子
サーモメーター (さーもめーたー:thermometer)
【呼吸器メカ用語】
温度計
シャント (しゃんと)
【呼吸器関連用語】shunt 静脈混合
混合静脈血が肺胞でのガス交換を受けずにそのまま左心系に流入すること。
シャントが起こる原因として解剖学的シャント(生埋的)、心内シャント、無気肺、肺炎などがある。
シャントが高度になると低酸素血症となる。
ステッピング(ステッパー)モーター (すてっぴんぐ(すてっぱー)もーたー:stepping(stepper)motor)
【呼吸器メカ用語】
パルスにより駆動される電動モーター
スパイロメーター (すぱいろめーたー:spirometer)
【呼吸器メカ用語】
換気量計、肺活量計
セーフティバルブ (せーふてぃばるぶ:safety valve)
【呼吸器メカ用語】
安全弁
センシティビティープレッシャーゲージ (せんしてぃびてぃーぷれっしゃーげーじ:sensitivity pressure gauge)
【呼吸器メカ用語】
(トリガ)感度圧力計
ソレノイドバルブ (それのいどばるぶ:solenoid valve)
【呼吸器メカ用語】
電磁弁
最高気道内圧 (さいこうきどうないあつ)
【呼吸器関連用語】peak inspiratory pressure
呼吸周期内で最も高い気道内圧。
40cmH20(3.92kPa)を超えると圧外傷などを発生する可能性が高くなり、危険である。
最大気道内圧 (さいだいきどうないあつ)
【呼吸器関連用語】PlP peak inspiratory pressure
[←先頭へ]最大吸気陰圧 (さいだいきゅうきいんあつ)
【呼吸器関連用語】MlP maximmal inspiratory pressure
20秒間呼吸回路を閉鎖して最も強く吸わせたときの最大陰圧で、換気筋の能力の評価法である。
人工呼吸器からの離脱を予測する因子のひとつで、-30cmH2O(-2.94kPa)以下で成功の可能性が高いとされる。
最低分時換気 (さいていふんじかんき)
【呼吸器関連用語】minimum minute Ventilation
患者が無呼吸になっても、自動的に設定された分時換気量の換気が開始されること。
強制分時換気とほぼ同義。
→MMV
[←先頭へ]酸化ヘモグロビン (さんかへもぐろびん)
【呼吸器関連用語】
酸素が結合しているヘモグロビンをさしていう。
1つのヘモグロビンには4つの酸素分子が結合可能である。
ヘモグロビン1gに完全に飽和(結合可能な場所すべてに酸素が結合)できる酸素の量は1.34mLである。
酸素中毒 (さんそちゅうどく)
【呼吸器関連用語】
ヒトにおける酸素分圧と投与時間の安全域は確立されていない。ヒト成人の場合、100%酸素は6時間以内、70%で24時間以内、24時間以上の長期投与は45%以下とすることが、現在の一応と基準となっている。
健康成人に高濃度酸素化で呼吸をさせていると、線毛運動の低下、粘膜刺激症状にはじまり、徐々に肺機能低下をきたすようになる。中毒症状の発現と進行は酸素濃度と投与時間に依存する。その原因は活性酸素によるものとされている。
酸素毒性 (さんそどくせい)
【呼吸器関連用語】
高濃度酸素の吸入は毒性があるとされている。
どのくらいのレベルで毒性を発揮するかは不明だが、FIO2 0.6を48時問以上吸入した場合には注意が必要とされる。
可能な限り早くFI02は O.6以下で管理する。
死腔 (しくう)
【呼吸器関連用語】deadspace
死腔とは気道のうちガス交換に寄与しない部分をさす。
解剖学的死腔とは肺胞以外の部分をさし、成人で約150mLである。
病的にガス交換に寄与しない肺胞は肺胞死腔であり、解剖学的死腔と合わせて生理学的死腔という。
少ない一回換気量ではガス交換ができる有効な換気量が少ないので、多少呼吸回数が増えても血液ガス分析は改善しにくい。。
持続強制換気 (じぞくきょうせいかんき)
【モード名】continuous mandatory ventilation
本来はAsisst/Controlとほぼ同義だが、機械的調節呼吸の意味で用いられることもある。
自発呼吸をトリガして行われる補助換気(ほじょかんき)と強制換気が行われる。
自発呼吸の合間に間欠的に強制換気するIMVの対極の意味。
→A/C
[←先頭へ]持続的気道内陽圧 (じぞくてききどうないようあつ)
【モード名】
→CPAP
[←先頭へ]時間サイクル式 (じかんさいくるしき)
【呼吸器関連用語】time cycled type
吸気から呼気への転換が時間により規定されている換気方法。
吸気時間は直接設定する以外に、1分間の呼吸回数とI:E比を設定することで決定される。
これに吸気流速(L/分)を組み合わせると従量サイクル式となる。
自発呼吸 (じはつこきゅう)
【呼吸器関連用語】spontaneous breath
人工呼吸、補助換気によらないトリガ、リミット、サイクルのすべてを患者が決定する呼吸。
すべての呼吸仕事量は患者自身により行われる。
実行コンプライアンス (じっこうこんぷらいあんす)
【呼吸器関連用語】
→Ceff
[←先頭へ]従圧式人工呼吸 (じゅうあつしきじんこうこきゅう)
【モード名】
[←先頭へ]従量式人工呼吸 (じゅうりょうしきじんこうこきゅう)
【モード名】
[←先頭へ]睡眠時無呼吸症候群 (すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)
【病名】
sleep apnea syndrome
睡眠中の異常呼吸を特徴とする睡眠呼吸障害。
胸郭と腹部の奇異性換気運動を認める閉塞型では、睡眠中のCPAPが有効とされる。
また、二酸化炭素が貯留し換気運動が消失する中枢型においては、夜間のNPPVが有効とされる。
成人呼吸窮迫症候群 (せいじんこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)
【病名】
→ARDS
[←先頭へ]た |
ダイアフラム (だいあふらむ:diaphragm)
【呼吸器メカ用語】
隔膜
ダイナミットクコンプライアンス (だいなみっくこんぷらいあんす)
【呼吸器関連用語】
→Cdyn
[←先頭へ]チェックバルブ (ちぇっくばるぶ:check valve)
【呼吸器メカ用語】
逆止弁
チャンバー (ちゃんばー:chamber)
【呼吸器メカ用語】
部屋、仕切られた空間
チュービングコンプライアンス (ちゅーびんぐこんぷらいあんす:tubing compliance)
【呼吸器メカ用語】
呼吸回路を構成するチューブのコンプライアンス(やわらかさ)
ディジタルアンプリファイア (でぃじたるあんぷりふぁいあ:digital amplifier)
【呼吸器メカ用語】
デジタル式増幅器
ディマンドバルブ (でぃまんどばるぶ)
【呼吸器メカ用語】
需要ガス(受動送気)供給弁
患者の吸気努力により、回路内圧が低下すると開くバルブ(弁)。
バルブが開いているあいだは吸気が供給される。
demandとは「要求する」「需要」という意味。
ディマンドフロー (でぃまんどふろー)
【呼吸器関連用語】
患者の自発呼吸、患者の吸気努力に応じて供給する吸気フロー。
ディマンドバルブもその1つである。
⇔定常流、連続流、コンスタントフロー
テストラング (てすとらんぐ)
【品名】
患者に呼吸器を連結する前に、人工呼吸器の作動状況を大まかに確認するために、蛇管に連結するゴム製の袋。
テストバッグ
トランスデューサ (とらんすでゅーさ:transducer)
【呼吸器メカ用語】
変換器(圧、量などの物理量を電気信号などの別の物理量に変える。)
トリガ (とりが:trigger)
【呼吸器関連用語】
患者の吸気努力が人工呼吸器に伝わるサインのこと。
圧トリガ(回路内圧の変動で感知)やフロートリガ(気流の変動で感知)などがある。
ただし、タイムトリガとは患者の吸気努力に関係なく強制換気を開始すること。
triggerとは「ひきがね」の意味。
トリガ感度 (とりがかんど)
【呼吸器関連用語】trigger Sensitivity
回路内圧の変動やフローの変動を検出して強制換気が開始される、その検出感度のこと。
圧トリガであれば通常 -2〜 -1cmH20(-0.196〜 -0.098kPa)で設定する。
より大きな変動が検出に必要(感度が悪い)な場合は、患者の疲労につながる。
多臓器不全 (たぞうきふぜん)
【病名】
→MOF
[←先頭へ]調節呼吸 (ちょうせつこきゅう)
【モード名】
controlled mandatory ventilation
強制換気という意味で、設定時間ごとに吸気が開始され、量規定式も圧規定式も含まれる。
低換気 (ていかんき)
【呼吸器関連用語】hypoventilation
有効なガス交換が生体の二酸化炭素産生量に比して低下した状態であり、PaC02は上昇する。
pHが低下すれば呼吸性アシドーシスである。
高度になるとPa02も低下する。
定常流 (ていじょうりゅう)
【呼吸器関連用語】
強制換気中でない時期に、回路内を一定の流量で流れている気流で、自発呼吸(じはつこきゅう)があればこれを吸うことができる。
連続流、コンスタントフローとも言う。
⇔ディマンドフロー
努力呼吸 (どりょくこきゅう)
【呼吸器関連用語】
体の換気需要に対して、なんらかの理由により換気能力や換気量が見合わないために、さらに換気を増やそうとして呼吸補助筋などを用いて呼吸すること。
呼吸不全もしくは呼吸不全の切迫と考え迅速な対処が必要。
努力肺活量 (どりょくはいかつりょう)
【呼吸器関連用語】VC forced vital capacity
最大吸気位からできるだけ速く、すべてを吐き出したときの肺気量。
動脈血酸素含量 (どうみゃくけつさんそがんりょう)
【呼吸器関連用語】
単位体積当たりに、(化学的に)ヘモグロビンに結合している酸素の量と(物理的に)血液内に溶けている酸素の量を足したもの。
動脈血酸素分圧 (どうみゃくけつさんそぶんあつ)
【呼吸器関連用語】Pa02
動脈血に溶存している酸素を圧力(mmHg)で表す。
この酸素はヘモグロビンと結合していない。
37℃の100mLの血液中には酸素分圧1mmHg(O.133kPa)につき、約O.0031mLの酸素が溶けている。
動脈血酸素飽和度 (どうみゃくけつさんそほうわど)
【呼吸器関連用語】
ヘモグロビンにどのくらい酸素が結合しているかという割合。
血液ガスで測定したものはSa02で表し、パルスオキシメータで測定したものはSp02で表す。
動脈血酸素飽和度90%時のPaO2はほぼ60mmHg(8kPa)である。
サチュレーション
→Sa02、 Sp02
[←先頭へ]特発性間質性肺炎 (とっぱつせいかんしつせいはいえん)
【病名】IIP idiopathic interstitial pneumonia
肺組織の間質に炎症が生じるもののうち原因不明のもの。
低酸素血症が生じれば人工呼吸管理とともに、治療の第一選択としてはステロイドである。
しばしば治療に難渋することも少なくない。
な |
ニードルバルブ (にーどるばるぶ:needle valve)
【呼吸器メカ用語】
(ガス流量調節用の)針型弁
ニューモタコメーター (にゅーもたこめーた:pneumotachometer)
【呼吸器メカ用語】
気流速度計
ネブライザ (ねぶらいざ)
【呼吸器関連用語】
気道、肺へ薬物を直接作用させるためには、薬液をエアロゾル化して吸入させる必要がある。
薬液をエアロゾル化する噴霧装置で、ジェットネブライザや超音波ネブライザがある。
ネブライザーコンプレッサー (ねぶらいざーこんぷれっさー:nebulizer compressor)
【呼吸器メカ用語】
噴霧器用ガス圧縮装置
は |
パーミッシブハイパーカプニア (ぱーみっしぶはいぱーかぷにあ:permissive hypercapnia)
【呼吸器関連用語】高炭酸ガス許容法
高い気道内圧(きどうないあつ)は圧外傷、循環障害、肺の過膨脹による種々の肺障害などを起こすことが知られている。
これらの肺障害を防止するためには、気道内圧の上昇と肺の過伸展、過膨脹を制限することが必要である。
そのために、高炭酸ガス血症が生じても許容するという方法をとる。
一般的には、最高気道内圧は35cmH20,Paco2は80mmHgまでとする。
ただし、脳外傷、脳腫瘍、脳出血などで高炭酸ガス血症によって脳圧が亢進すると危険に陥る症例、もしくは高炭酸ガス血症による危険が特に増大する症例では行わないのを原則とする。
ハウジング (はうじんぐ:housing)
【呼吸器メカ用語】
(機械、その各構成要素などの)固いケース
バクテリアフィルター (ばくてりあふぃるたー:bacteria filter)
【呼吸器メカ用語】
細菌フィルター
バッキング (ばっきんぐ)
【呼吸器関連用語】
気管内挿管、気管切開カニューレ自体の刺激や人工呼吸器との呼吸のリズムが合わなくなったために、患者の咳嗽反射を誘発し、咳込んだ状態。
気道内圧が高くなるために危険である。
バックアップ換気 (ばっくあっぷかんき)
【呼吸器関連用語】
バックアップ機能人工呼吸器が作動状況の異常(故障など)や無呼吸を感知すると患者の安全を確保するために、呼吸器の設定が固定プログラム(一回換気量、換気回数、酸素濃度)の換気へ変更される機種がある。
この作動状況をバックアップ換気という。
バリアブルオリフィス (ばいあぶるおりふぃす:variable orifice)
【呼吸器メカ用語】
可変口。面積などが変えられる口、穴。
バロトラウマ (ばろとらうま:barotrauma)
【病態】
ファイティング (ふぁいてぃんぐ:fighting)
【呼吸器関連用語】
患者の呼吸と人工呼吸器の補助や強制換気が合わないこと。
チューブの位置や気道内の分泌物が原因のこともあり、適切な鎮静やケアが重要だが、原因の追及とともに人工呼吸器の設定を再考することも必要である。
プラトー (ぷらとー)
【呼吸器関連用語】plateu
[←先頭へ]ブリードレギュレーター (ぶりーどれぎゅれーたー:breed regulator)
【呼吸器メカ用語】
(ガスなどの)排出調節器
フレイルチェスト (ふれいるちぇすと:flailchest)
【病態】
隣接する3本以上の肋骨が2か所以上で骨折している場合、吸気時に骨折部が陥凹し、呼気時に膨隆する奇異性呼吸となる。
肺を膨らませ、内側からの固定、骨癒合促進を目的として気道内陽圧換気を行う場合もあるが、鎮痛が最も重要。
プレッシャーゲージ (ぷれっしゃーげーじ:pressure gauge)
【呼吸器メカ用語】
圧計測装置、圧力計
プレッシャージェネレーター (ぷれっしゃーじぇねれーたー:pressure generator)
【呼吸器メカ用語】
圧(作成)源
プレッシャーレギュレーター (ぷれっしゃーれぎゅれーたー:pressure regulator)
【呼吸器メカ用語】
圧調節器
フローコントロールバルブ (ふろーこんとろーるばるぶ:flow control valve)
【呼吸器メカ用語】
流量調節弁
ベローズ (べろーず:bellows )
【品名】
従量式人工呼吸器において、換気量を得るために吸気ガスを送り込む、仲縮する蛇腹のバッグ。
ベローズとは、(昔の)カメラについていた蛇腹の意味。
背側無気肺 (はいそくむきはい)
【病態】
臥床中の人工呼吸装着患者が、重力により肺の背側部分に無気肺をつくった状態。
ARDSにおいても顕著となり、非常に大きなシャントとなるため低酸素血症の原因となる。
腹臥位体位ドレナージが有効。
肺拡散能 (はいかくさんのう)
【呼吸器関連用語】
DL diffusing capacity of the lung
酸素の拡散能は測定困難なので、一酸化炭素(CO)のそれを測定する。これは一酸化炭素の肺胞壁の通りやすさ、ひいては拡散しやすさを表す。
約20ml/min/mmHg以上が正常である。
肺壁が肥厚したり(間質性肺炎)、肺胞面積が小さくなったり(肺気腫)する病変があると低下する。
一酸化炭素の排出量(VCO - 正確にはVの上に・がつき、COは小さく書く)と肺胞内一酸化炭素分圧(PACO - 正確には正確にはVの上に・がつき、ACOは小さく書く)を測定すると、DL=VCO/PACOより、肺拡散能が求められる。
肺活量 (はいかつりょう)
【呼吸器関連用語】VC vital capacity
深吸気位からゆっくりできるだけ多く吐き出させたときに得られるカス量。
できるだけ速く吐き出させたときの努力肺活量(どりょくはいかつりょう)とは異なるもの。
→VC
[←先頭へ]肺胞気-動脈血酸素分圧較差 (はいほうきどうみゃくけつさんそぶんあつこうさ)
【呼吸器関連用語】
[←先頭へ]非侵襲的気道内陽圧換気 (ひしかしゅうてききどうないようあつかんき)
【呼吸器関連用語】 NlPPV NPPV noninvasive positive pressure ventilation
気管内挿管チューブや気管切開カニューレを介さず、鼻マスクやフルフェイスマスクを用い、自然気道で行う換気方法。
経口摂取や会話が可能で、咽頭障害も少ないという利点があるが、適応を慎重に選択する必要がある。
腹臥位体位変換 (ふくがいたいいへんかん)
【呼吸器関連用語】
腹臥位体位ドレナージ
背側無気肺のあるような場合に腹臥位にすると換気能力のある(腹側の)肺に血流が多く分布し、シャントが減少し、血液の酸素化を改善する。
1回の腹臥位時間はおおむね2〜4時間程度、腹部圧迫や神経圧迫の注意が必要。
分時換気量 (ふんじかんきりょう)
【呼吸器関連用語】 MV
一回換気量(ml)×換気回数(回/分)のこと。
1分間の換気量(L)をさしていう。
人工呼吸器の設定分時換気量と呼気分時換気量が大きく異なる場合は、回路のリークなどを考える。
→MV
[←先頭へ]分離肺換気 (ぶんりはいかんき)
【呼吸器関連用語】differential lung ventilation
肺分離専用のチューブを用いて、左右の肺のどちらかを換気したり、別々の換気様式にしたりする方法。
一側肺の出血(喀血)や肺炎、分泌物過多などに対して対側の肺を守る目的で行ったりする。
→DLV
[←先頭へ]平均気道内圧 (へいきんきどうないあつ)
【呼吸器関連用語】mean airway pressure
呼吸周期で変動する気道内圧(きどうないあつ)の平均値。
血液の酸素化と平均気道内圧は直接関係する。
平均気道内圧を規定する因子としては換気回数、一回換気量、吸気時間、PEEP、吸気圧パターンなどがある。
補助換気 (ほじょかんき)
【モード名】assisst ventilation
自発呼吸のある患者の吸気努力をトリガとして開始される強制換気をさす。
→assisst、 asisst ventilation
[←先頭へ]ま |
マノメーター (まのめーたー:manometer)
【呼吸器メカ用語】
圧力計
メンデルソン症候群 (めんでるそんしょうこうぐん)
【病名】 Mendelson'ssyndrome
もともとは妊婦の麻酔中に発生する誤嚥性肺炎をさしていっていた。
一般的に誤嚥性肺炎をさしている。
慢性閉塞性肺疾患 (まんせいへいそくせいはいしっかん)
【病名】
COLDともいう。
肺気腫、喘息、慢性気管支炎など抹消気道の閉塞と肺の過膨張を特徴とする疾患である。
無気肺 (むきはい)
【病態】 athelectasis
肺葉や肺区域内のガスの消失により肺容量が減少した状態。
人工呼吸中の一般的な合併症であり、無気肺部分はシャントとなるため低酸素血症や肺炎の原因となる。
体位ドレナージ、喀疾吸引などのケアが重要となる。
アテレク
ら |
リーク (りーく:leak)
【呼吸器関連用語】
リークとは漏れること。
・回路に破損や接続不良があって、ガスが漏れる。>設定換気量が保てない、回路内圧が低下するなどで発見できる。
・チューブのカフが破損していたりエアが少ないためチューブと気管の間に隙間ができて、ガスが漏れる。>声が漏れたりへんな音がするなどで発見できる。換気量低下や気道内圧も低下する。
量規定式人工呼吸 (りょうきていしきじんこうこきゅう)
【モード名】
吸気の上限(リミット)が換気量で制限されるような人工呼吸。
換気量は保障されるが、気道のコンプライアンスや抵抗により気道内圧が変化する。