鳥対策

 ビニールハウスの中では、色付いた果粒が増えてきた頃、 袋かけを始めます。 朝方と夕方では、色付き具合が違って見えるくらいに、色付きが進行してます。 ちょっと作業遅れてしまったくらいです。

 最初に、奇麗な紫色になってる粒のある房に、袋かけして回ります。 なぜかって...?。 ご覧の通り、ボクらが食べる前に、食べ回ってしまう連中がいるからです。 鳥さん達なのです。 写真右上に貼り付けたような、歯形(?)がついてます。 1房の中に1粒だけある紫色の粒だけを、見事にかじってくれてます。 他の粒には傷も付けずに。 それでも、1粒全部食べれば、まだ可愛げがあるものを、 あっちの粒こっちの粒と、ちょこっとづつ、かじってるのです。 赤っぽく色付いた粒はかじらずに、奇麗な紫色になった粒だけかじってる。 多分、枝にもとまらずに食べるので、飛んで通るときに1回かじって、 そのまま次の実を見つけに行くのでしょう。

 鳥脅し機を置いて、鳥が近づかないようにしてんですけど、 どうも慣れちゃったみたいです。 置いた年は、かなり被害が少なかったのです。 あのときは、「こりゃいい」って喜んだんですがねぇ。 ま、無いよりはましだと思います。

 とりあえず、今来てる鳥は、袋かけしたことで、葡萄を食べなくなるでしょう。 でも、カラスさんが食べに来るようになると、果袋では防げません。 袋の中に葡萄があるのを知ってますから、 袋を食い破り、中の葡萄を粒ごと食べて、皮と種を、そこら辺にペッペってはき捨てて去って行く、 これが、カラスさんですから。 黒ビニール吊るしたり、ラジオの音響かせたり、たまにはガス鉄砲鳴らしたり、 収穫終了まで戦いは続く、って感じです。


 これが噂の鳥脅し機です。 ぶどう園の中の数ヶ所に、葉っぱの上に出すようにして、 鳥さんによく見えるように、置いてます。

 頭の上に付いてるのが、太陽電池らしくて、 その電力で、「ピーピピピ」、「ビービビビ」なる電子音を奏でてくれます。 30秒ぐらい音発てて、しばらく休み、また音発てます。 説明書には、「鳥が一番嫌がる周波数の音を」って書いてあったと思います。 鳥も嫌でしょうが、人間も、近くで聞くと、かなりイライラする音色と音量です。
 目玉みたいな絵が書いてある部分は、 風が吹くと、「ゴワンゴワン」という音をたてて、くるくる回り、 光を反射して、鳥を脅します。 ...脅すらしいのです。
 太陽電池の蓄えたエネルギーがきれるためか、後ろに光センサーが付いてて感知するのか、 昼間は「ピーピピピ」と騒ぎたて、夜は静かにする、 朝晩のスイッチ操作がいらないという、非常に楽な代物なのです。 そのはずだったのですが、そろそろ古くなってきたせいか、 スイッチをOFFしとかないと、夜もピーピピピと騒ぎ立ててます。 なかなか、発電効率が良いようで、...元気でなによりです。

 この他にも、鳥脅しのために、田圃でスズメ脅しに使ったりするガス鉄砲を鳴らしてましが、 畑の周りが、小学生の通学路になってて、 「かなりビックリする。」、「怖い。」ってことで、最近は鳴らさなくなりました。 ぶどう園の手伝いのおばちゃんのなかにも、怖いって言う人いましたしね。 それに、人はビックリするんですけど、肝心の鳥さん達は、慣れちゃってて、 「ドーン」と鳴ったときは飛び立つ鳥もいますが、すぐに戻ってきてしまうのです。


 露地のぶどうは、ビニールハウスの中のぶどうと比べると、周りから目立つのか、かなり鳥に食べられます。 1粒食べられると、汁が他の粒についてしまって、 そこから腐れが始まって、袋の汚れに気がつかないと、 1房全部ダメになってしまうこともあります。

 ということで、ロケット花火です。 遊んでるわけじゃないんですよ。 重要な、かなり重要な、ぶどう園のお仕事です。
 鳥脅しのためのガス鉄砲を鳴らしにくくなったので、 代わりに、鳥に向かってロケット花火を発射して、「ひゅー、パーン」って音発てて、 鳥を追っ払ってます。

 小学生の頃、ロケット花火買ってもらえなくて、 お金持ちの友達が、ロケット花火に火をつけて、打ち上げて、遊んでるのを眺めてました。 それが今では、100発くらいまとめて買ってきて、ぶどう園の経費で買ってきて、 2発くらいづつまとめて発射したりして、立派な仕事になっちゃいました。^^

 なんか、野鳥保護会あたりから文句言われそうなことばかり書いてますが、 お百姓さんとしては、作物を守らないと。 生活かかってますからね。



最終更新日:2000年12月6日
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