台風通過

 1999年9月の終わり頃、台風18号が、出水市の西側のすぐ近くを通って行きました。 ぶどう園の被害も大きかったですけど、出水市全域が、かなりの被害受けました。 この年は、梅雨明けから収穫期にかけて、ずーっと雨続きで、 露地の巨峰の葉っぱが早々と落ちて、 による巨峰の収穫は終わってたんですけど、

 台風の日は、朝方3時くらいまではね、テレビで、台風の進路見てたんですよ。 確か、3時くらいのときに、「午前2時の台風の位置」ってのまで 見たと思うんですよ。 で、鹿児島県の横くらいまで来てたので、 「このくらいですんだな。」くらいの気持ちで、眠ってったと思うんですけど、 午前4時くらいでしょかねぇ、バタバタした雨音、風音がひどくなってきて、 家の壁が震えてる感じで、 特に強い突風きたみたいで、縁側の窓ガラスが割れて、風が吹き込むようになり、 (風おさまってから庭に出てみたら、折れた防風林が転がってました〜。 風向きとか、落ちてる場所考えると、どうやら、窓ガラスに当たったらしい。) 後は、バッシャンバッシャンって音聞こえてましたよ。 もう〜、ガラスが割れたい放題。 屋根も飛んじゃうかなぁ、って思ったんだけど、どうにか絶えてくれたみたいね。 でも、瓦は、かなりの数が、割れたり、飛んじゃったり、してたみたいで。 小屋の方のガラスも割れる音してたので、吹き抜けたかなぁ、 って思ってましたけどね、ま、小屋のガラスは、その1枚が割れただけで、 後は、天井のスレートが一部飛んでただけで...。 看板も、たくさん壊れちゃったけど、 一番損害大きかったのは、セキレイ、リザマートを植えてる、 駐車場の上のテラスの屋根材(エスロン材)が飛んだことですねぇ。 あれって、できるだけ紫外線通すように、特別なの使ってるんで、 単価高いんですよぉ。 分園の方も、同じような感じで。 小屋の壊れ方は、分園の方が、かなりひどい、かな。

 台風通り過ぎた後は、停電になってて、テレビとか見れないから、 他で、どんだけ被害があるのか分からなくて。 で、ここから、国道3号線の車が見えてるんですけどね、車が全然動かないんで、 変だなぁ、って思ってたんですよ。 いつもは、そんなに車が通らない田圃道を、この日は、どんどん車通ってくし。 看板チェックに行った父の話で、やっと分かりましたよ。 あっちこっちで電柱やら木やら倒れてて、前に進めないってことで。

 あっちもこっちも、瓦がずれたり割れたりした家ばかり、 スレートの割れた倉庫ばかり、看板類も、かなり飛んじゃってました。 それから、鶏舎の被害が大きかったようで、 つぶれた鶏舎から鶏うろうろ、屋根のとんだ牛小屋の中で、牛がウロウロ、 親戚総出で、家の修理後回しにして、鶏が移動されたようです。 壊れてない、壊れたとこが少なかった鶏舎に。 田圃、畑では、壊れたビニールハウスを修復してたり、 風で傷んだ野菜に薬かけたり、 この人達も、家が壊れてんですけど、作物の面倒をみるのが先、 収入の元をなんとかしないと、ってことらしくて。

 ウチも、家の中は、ガラスの後片付けもできてないんだけど、 (ま、建物保険の写真を撮りに来るまで、そのままにしとかなきゃ、 ってのもある。) 防風林が倒れて、周りの田圃、畑に迷惑かけてるもので、 それを取り除いてましたよ。 いつもは、パソコンのキーボードを叩いてるきゃしゃな手で、 チェーンソー振り回して。 あんまりつかってないせいか、なかなかエンジンかからなくて、 スターターの紐ひっぱるだけで疲れてしって。 その他、看板がちぎれとんでしまったり、テラスの屋根材が飛んでしまったり、 ぜーんぶ、他に迷惑かからないようにと、畑の中、田圃の中、 拾い集めてたので、まあ、それが大変だったかな。 なんたって、飛んでった範囲が広い。 少しづつ風向きも変ったみたいで、あっちこっち飛んでってて。

 会社に行くってことないもので、 この時期は、世間と離れて生活してる感じではあるんだけど、 会う人、会う人毎に、お客さん来るたびに、 「酷かったねぇ。」という話をしなければなりません。 それが、台風前後で、一番変化したことだと思いますよ。 皆様、「そろそろ、あごが疲れた。」的なことを言いつつも、 いろいろと教えてくれますよ〜。

 目にみえて被害がひどいのは、作物的にひどいのは、植木農家ですかね。 あの(値段も、背丈も)高そうな木が、ポキポキ折れてますから。 たいがい切り捨てられたようだけど、まだ、残ってますね。 ここんとこ、あんまり植木が動かないって話は聞いてましたけど、 今回の台風で、「家の前に、庭に大きな木があるのは、危ない。 近所にあるのも、怖い。 電柱立ててあるのも怖い。」ってな話になってきてますから、 より一層売れなくなるんじゃないか、って話です。 「折れたから、植え替えのために売れる。」ってことは無いんですかねぇ。 (植木農家の人で、台風後の木の様子見て、自殺した人、いるみたいよ。)

 園芸農家さん達は、残った苗を手入れされてますけど、 風で痛めつけられた葉っぱは、病気が入りやすいようで、 やっと残った、残せた苗ですけど、苦労されてます。 出荷は遅くなりますけど、植え直しされた人の方が、良い結果になるかも。

 お店、大型店とか見てると、看板なんかは曲がったまま、 壊れたままだったりしますけど、普通に営業されてます。 直後は、野菜がめちゃ高かったらしい、けどね。 出水市場も閉められてましたしぃ。 それと、ビニールシート、大型バケツ、等等、災害グッズが並んでます。 プラスティック製の洗濯板なんてのも売られてたんですね〜。 今なら、安く買えるんじゃないかなぁ。

 道路を通ってると、倒れてた電柱が修理されてたり、 傾いたままだったり、田圃の中に、つぶれたままの小屋があったり、です。 折れた電柱は、取り替えてる時間なかったようで、 頑丈そうな鉄の添え木をあてて、グルグル巻きにしてあります。 落ち着いたら、取り替え工事がなされるんでしょね。 そのときは、この出水市でも、また渋滞になるかな。

 あちこちに、台風災害のゴミ捨て場が開設されてて、 スレート材、瓦、折れた木々、トタン類、エスロン材、等等、 た〜っくさん持ち込まれてて。 ウチも、トラックで3回持っていきましたよ。 ほとんどエスロン材で。 瓦とかスレート材は、砕いて、水溜まりに入れたり、 ちょっと奇麗なスレート材は、元犬小屋の修理につかおうかなぁ、 とか考えてると、なかなか捨てられなくて。 集落放送の線が切れてて、この前まで防災放送とかも聞こえなくて、 新聞で、この集積所のことを知って持って行きました。 知り合い、たくさん来てました。 で、またまた台風の被害の話をひとしきり...。 忙しいんですけどねぇ〜。


最終更新日:1998年2月20日
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