ぶどう狩り・産地直売・地方発送                             山門ぶどう園便り 2019年7月22日
出水市観光協会推薦     山 門 ぶ ど う 園
  〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
  TEL 0996−62−1571    FAX 0996−62−4450
  http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/  「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
    ○ 巨峰(種有り/種無し)     ・・ 7月下旬〜9月
    ○ ロザリオビアンコ(マスカット)  ・・ 8月〜11月
    ○ セキレイ(赤嶺)        ・・ 9月〜12月
    ○ シャインマスカット       ・・ 8月〜9月

 今年は、梅雨に入るのが遅くて、本園無加温ハウスの巨峰が色着き始める頃に、天気が良い日が続きましたから、 まずは順調に色着き始めたと思います。 でも、梅雨終盤になってからは、雨が続いて、色着きが止まってしまわないか心配してました。 10日間予報では、雨続きの予想で、なかなかビニールをはがす日が決まりませんでした。 ビニールをはりっぱなしの状態でも、ある程度は、色着いてましたから、 このまま収穫を始めようかとも考えましたけど、 毎年、ビニールはいで、陽射しを当ててから収穫を始めていますから、 なんとなく、自分達の気分も盛り上がらない感じで、 7月15日、16日の二日間で、ビニールをはがしました。
 ビニールをはがした後、いつかは雨に当たるんですけど、 いきなり強烈な雨に当たると、びっくりして、粒が割れてしまうことがありますから、 できれば、梅雨明け宣言を聞いてから、ビニールをはいで、 露地の環境になれた頃に、弱い雨から、徐々に雨に慣れてもらえれば、その後は、多少の大雨でも大丈夫なんですけど、 収穫開始までの日程的に、梅雨明け宣言まで待っていられませんでした。

 種有り巨峰の部分だけ、ビニールを取り外しました。 前日まで大雨でしたし、数日後には、また雨が降り続きそうな予報で、 大雨で粒が割れてしまわないだろうか、先延ばしにしようか、迷いましたけど、 晴れたときの気温上昇が急激なので、葉っぱが焼けてしまいそうな気もしましたし、 収穫開始が遅くなるのも心配で、予定通りに、ビニールを取り外しました。
 総勢11人、朝は、5時過ぎに集合して、 まずは、谷換気を全部閉め切った状態で、谷換気の巻き取りパイプにビニールを固定しているパッカーを取り外して、 高熱の空気が閉じ込められないように、ビニールをまくり上げました。 全部の谷のパッカーを取り外して、ビニールをまくり上げました。 昨年と違って、網は、数日前に取り外しておきましたから、 すぐに、一棟づつ、ハウスバンドをほどいて、ビニールを寄せ集めて、下に降ろしました。 降ろしたビニールをブルーシートでくるんだり、スプリング、パッカーの取り集めまで、 熱くなる前に、午前中で終わらせることができました。 午後は、体を休ませて、翌日早朝から、同様にして、分園のビニールを取り外しました。

 ここ何年かの房数の調整、摘果は、 最初に、一枝に一房だけ残すように切り落としてから、 枝の太さや粒の太り具合を見ながら、育てられそうにない房を切り落としてました。 木が安定してる時期だと、これで良かったんだと思いますけど、 今は、若木が大きくなってきて、古木を切り縮めてるもんですから、 全体的に枝の勢いが強くて、枝が太くなりやすい、脇芽が伸びやすい、葉っぱが大きくなりやすい、 という状態で、実よりも、枝葉が育ってしまって、陽射しが通らなくて色着き悪かったり、 枝が太いことで来年の種枝を確保するのが大変だったりするのです。
 今年は、花が咲き終わったときに、太く伸びた枝には、2房、3房、残して、負担をかけて、枝が太くならないようにしました。 代わりに、細い枝、短い枝の房を、たくさん切り落とすことにしました。 昨年は、どうしようもなく房数が少なくて、脇芽が数多く出て、伸びて、陽射しが入らなくなってしまいました。 陽射しが入るように、脇芽を切り落とすのが大変でしたけど、 今年は、今までのところは、脇芽を切り落とす仕事が、昨年よりは少なくてすんでます。

 春には、毎年のように苗木を植えてます。 昨年の夏に、巨峰と赤嶺の苗木を注文したんですけど、赤嶺は売り切れてて、巨峰だけ届きました。 最近は、種無し大粒ぶどうがはやりですし、赤嶺は美味しいので、お客さんには人気がありますけど、 縮果症がひどくて、生産者には人気ないと思っていたので、苗木が売り切れていたのは意外でした。 巨峰は、種無しとして育てている本園ビニールハウスの中に5本、 残りは、分園トンネルハウスの端っことか、テッポウムシの被害が多くて木が弱ってるあたりに植えました。
 一昨年、分園トンネルハウスには、たくさんのシャインマスカットの苗木を植えて、 昨年は、花芽が着いた分だけ花を咲かせて、種無し処理しました。 若木ですから、粒が大きくならなくて、房型小さかったですけど、早い時期に、甘く、ジューシーに、美味しくなりました。 本園の無加温ハウスよりも、先に収穫できるくらいに美味しくなりました。 今年は、木が広がった分だけ房数も多くなりましたし、粒も大きくなってきてます。 粒が大きくなってくると、美味しくなる時期が遅くなりそうで、心配ですけど、 巨峰も、美味しいのが採れていた畑なので、きっと美味しくなってくれると期待しています。
 昨年のぶどう園便りに、シャインマスカットの樹形をどうしようかって話を、今のままのシンプルな樹形、一文字整枝で、って書きましたが、 今の樹形を維持すると、木と木の間隔が広すぎて、ぶどう棚の空きができてしまいますから、 間に新しい木を植えないともったいない、ってことになります。 シャインマスカットの苗木は、今も人気で、なかなか手に入らない、ってことと、 一文字整枝だと、枝の勢いに差がつきすぎるような気がして、 ダブルH型と呼ばれる型にしようと思います。 自分一人で手入れするんなら、いろんな樹形をしてても、それぞれに手入れすることができるんですけど、 スタッフさん達に手伝ってもらうことの方が多いので、できるだけ統一した型にしようと思います。
 今年の春は、苗木植え以上に、シャインマスカットの移植を、頑張りました。 何年前だったか、本園に、シャインマスカットの苗木を植えたときに、 木の間隔を離したために、1本当たりの棚面積が広くなって、1本当たりの房数が多いように思えてきたのです。 分園に、予備にと思って植えていた若木を掘り起こして、持ってきて、穴掘って植えました。 今年は、生きつくだけで精一杯ですけど、 来年は、移植した木の枝が広がった分だけ、古い木の枝を切り縮めて、房数を減らして、負担を減らします。 負担が減ると、枝先や脇芽が伸びやすくなると思いますから、 摘芯、脇芽摘みなどを地道に頑張って、粒が大きくなったり、早く美味しくなったりする方向に栄養を回せたら、と思います。

 一昨年11月に、ぶどう園の近くに、南九州西回り自動車道の出水インターが開通して、 阿久根までは高速道路で行けるようになり、鹿児島市内までの往復が楽になりました。 出水から熊本、福岡方向へは、建設中ですけど、水俣インターまでは開通しましたから、芦北、八代までの時間が短くなりました。
 良いことばかりでもなくて、 なんとなく、風の向きが変わった、風が強くなった気がします。 南風のときの霧雨が、テラスの中に、小屋の中に入り込むようになった気がするのです。 それと、「高速道路から500m以内は、屋外広告、看板を立てることができない区域になりました。」ってことを、 最近になって、出水市役所から通達されまして、 何十年もの間、国道3号線沿いに立てて、お客さんを案内し続けてくれていた看板を、 撤去することになってしまいました。 猶予期間が3年あるということで、一番近くの看板は、まだ立てたままにしてありますけど、 こんな影響がでてくるとは、高速道路建設が始まるときには、全く知らないことでした。

 冬の間に、本園の種有り巨峰のビニールハウス、今年、ビニールを張り替えたビニールハウスだけ、巻き取りパイプを取り替えました。 他のハウスも取り替えたかったんですけど、 ビニールを張り替えなかった部分は、ビニールに錆がついてて、パイプを新品に取り換えても、 すぐに錆がうつってしまいそうで、取り替えなったのです。 今度の冬に、ビニールをはいだ後に、取り替えようと思います。
 取り替えなかった巻取パイプは、継手の部分が酷く錆びて、折れて、ビニールが巻き上がらなくなってることが多くて、 夕方の涼しい時間帯になってから、その部分だけ、錆びてないパイプに取り替えました。 全体的には、腐るほどには錆びてなくても、継手部分は、楕円に加工してあるのと、力がかかるのとで、 錆びやすい、折れやすいようで、ちょこちょこ折れて、その度に修理してました。 今年の冬は、どうにかして時間をつくって、張りっぱなしだった部分のビニールをはいで、 巻取パイプを取り替えねば、と思います。

 巨峰以外のビニールハウスは、収穫が終わるまでビニールをはりっぱなしにしてることもあって、 冬も、そのままにして、3年くらい同じビニールを使うのです。 巨峰のビニールハウスのビニールは、ビニールハウスの上に広げて使った次の年は、 花が咲くころに地面に敷いて、ビニールハウス内の湿度が上がらないようにして、 灰色カビ病などを予防するために使って、花が咲き終わると、産業廃棄物として、処理してもらってます。 これまでは、地面に敷いて、土や葉っぱが混じった状態でも、捨てれたんですけど、 葉っぱとかが一緒になっててはダメ、もしくは、葉っぱとかがついてれば処理費用が2倍以上になる、 ということになってくるようで、何年か余計に使うか、地面に敷かないようにしないと、と思ってます。

8月16日追記。  大雨の後は、天気続き、高温続きです。 収穫開始時期から「甘いですね。」と言われた本園無加温ハウスの巨峰は、 御盆前頃には、軟くなる実が出始めました。 やっぱり、収穫開始時期には、「酸っぱい」と言われて、8月になるころに、「甘い」と言われるようになるくらいでないと、 経営的にはダメですね。 箱詰め、地方発送は、分園トンネルハウスの巨峰を採って来て詰めてます。 夕方から夜にかけては、スプリンクラーで水を撒いてますけど、 地面だけではなくて、葉っぱにも水を散布する施設を作らないとダメかなあ、って気がしてます。