ぶどう狩り・産地直売・地方発送                                   山門ぶどう園便り 2014年7月29日
出水市観光協会推薦     山 門 ぶ ど う 園
  〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
  TEL 0996−62−1571    FAX 0996−62−4450
  http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/  「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
    ○ 巨峰              ・・ 7月中旬〜9月
    ○ ロザリオビアンコ(マスカット)  ・・ 8月〜11月
    ○ セキレイ(赤嶺)        ・・ 9月〜12月
    ○ シャインマスカット       ・・ 8月〜9月

 6月下旬、トンネルハウスの巨峰の袋かけが終わる頃になると、 「いつ、梅雨あけ..?。いつ、ビニールをはぐ..?。」ってことを考え始めて、 天気予報をチェックする回数が増えます。 今年は、7月7日頃から後は、晴れ続きの天気予報になってきて、 「梅雨明けも近いぞ!。」ってことで、 サイド部分のビニールを取り外したり、準備を始めました。 そして、そろそろ準備が出来ましたって頃に、 天気予報では、台風8号が発生して、進路予想図がでてきました。 ビニールはぎの予定は、台風通過後まで延期して、ビニールはぎの準備したのを、元の状態に戻しました。
 8月、9月に台風が発生したときには、ビニールをはいでありますから、 ニュースで、「農作物の管理にお気を付けください。」って繰り返し言われるのを、 「何をどう気を付けたら良いと言うのだろう...?。」って思いながら、 できるだけ勢力が弱まって、できるだけ遠くを通ってくれることを祈るばかりです。
 7月、梅雨明け前に台風が接近してきたときには、 ビニールハウスは、ビニールを被せたままですから、 台風前にビニールをはぐか、そのままにするか、決めなければなりません。 ビニールを被せたままにしておけば、ビニールハウスが耐えきれる程度の風であれば、ぶどうは雨風の影響を受ません。 でも、とても強い台風が、強い勢力のまま来たときには、 ビニールをそのままにしてると、ビニールハウスの骨組みごと壊れて、 ぶどう棚も壊れて、ぶどうの木も折れて、修復に多大なる金額と年数がかかってしまいます。 そうならないように、被害を最小限におさえるために、 「これ以上持ちこたえるのは無理か..。」ってときになったら、 暴風雨の中をビニールハウスに登って行って、 ビニールをカッターナイフで切って、ビニールを吹き飛ばして、 ビニールハウスの骨組みや、ぶどう棚、ぶどうの木を守ることもある、らしいです。 もっと強い台風のときは、「ぶどうの房の重みで、大事な枝が折れてしまう。」って言って、 台風前に、ぶどうを切り落としてる農家さんもありました。 暴風雨の中を畑に出ていくのは危ないので、 風が強くなる前に、ビニールをはいでおけば、怪我することもないですし、 強い台風が来ても、ビニールハウスの鉄骨は助かります。 でも、「このくらいの風だったら、ビニールをはったままにしとけば、ぶどうや葉っぱは傷まなかったかも。」 ってくらいの風でも、ぶどうが落ちてしまったり、 葉っぱが傷めつけられて、その後の着色などに影響がでたりします。 毎年、ビニールをはぐのには、2日間かかってますから、 風が強くなる2日前に判断しなければならず、ホントに難しい選択なのです。
 台風8号は、気温が高くないころ、梅雨どきの台風でしたから、 この辺りを通るときには弱まるだろうって予想もありましたし、 少しだけ頑丈な骨組みのビニールハウスですから、 ビニールをはがないで、通過するのを待とうって決めました。 結果的には、台風8号は、このあたりを通過する頃には勢力が弱くなってましたし、 出水市の南側の阿久根市を通りましたから、 ビニールハウスも壊れませんでしたし、 ぶどうには、房ごと落ちたりとかの目に見える被害は、ほとんどなかったのです。 でも、台風前に、風が入らないように、サイドビニールなどを閉めましたから、 湿気がこもって、葉っぱが水分を吸いすぎたり、 なにかしらの影響がなかったかな...?、って心配は残りました。

 10年くらい前までは、その年の巨峰の出来が良いかどうかってのは、 花が咲くころの天気と仕事で、だいたい決まっていました。 晴天が続けば、種の入った粒数が多い房ができますし、 雨の日が続けば、着果不足、粒数の少ない房になってしまいます。 花が咲き終わって、房型良く粒が付いた房が多ければ、 「今年の心配事は、8割、9割は終わった。台風以外は...。」って気持ちでいたのです。 今でも、この花が咲くころの天気や仕事の大事さは、変わりないんですけど、 それに加えて、ビニールはぐころから、収穫が始まるころの天気、夜温、などが悩みの種になってます。
 最近の夏は、夜になっても気温が下がらなくて、着色しにくくなっているものですから、 「早くビニールはいで着色を進めよう。」って焦る気持ちが強くなってまして、 梅雨明けがはっきりしないうちにビニールをはいだら、 その後に大雨が降り続いて、粒が割れてしまったり、 大雨の影響を受けないように、梅雨明けがはっきりするまで、晴天続きにもビニールをはがなかったら、 高温になりすぎて、葉っぱが焼けたり、高温障害っぽくなって、着色が止まってしまうこともありました。 ビニールをはいでから数日経てば、葉っぱなども露地の環境に適応してきて、 強い陽射しや、ある程度の大雨にも、影響を受けにくくなるのですが、 それまでの数日間は、ちょっとした雨が降っただけでも、かなりドキドキしてます。

 写真は、6月のシャインマスカットです。 実を生らせて、種抜き処理(ジベ処理)するのは、2年目です。 昨年の初生りのときは、粒は大きくなりませんでした。 でも、種が無くて、皮ごと食べやすいこともあって、 今までのぶどうとはちょっと違った感じの美味しさで、評判良かったです。 木が成長して枝が伸びましたから、今年は、房数が増えました。 2回のジベ処理だけでも、巨峰よりも手間がかかっているのですが、 さらに、粒間引きも、脇芽切りも、余計に時間がかかって苦労が多い、ってことが、よく分かりました。
シャインマスカット シャインマスカット
 収穫前の状態ですけど、昨年よりも粒が大きくなりました。 軸の長さを5cmくらいに切り詰めてから、花を咲かせて、 1房あたり最大35粒くらいに粒間引きしたんですけど、 思ったほどには軸が伸びなくて、粒が大きくなった房は、窮屈な状態になってしまいました。 年数を重ねると、軸が、もっと伸びて長い房になるのか、 最初に切り詰める長さを長くしないといけないのか、 また来年も、試してみます。
 粒間引き後に、粒が大きくなってきて、軟らかくなってくる水回り期の直前くらいになって、 日焼けしたような黒っぽい粒が目についてきました。 昨年は、ちょっと早めに袋かけしたので、日焼けした粒は、袋の中で落ちて、 収穫して袋を開けたときに、袋の下にたまっていたのです。 今年は、状態を見るために、袋かけを遅らせたので、 目の前で日焼けした粒を見ることになりました。 房の上の方の粒が焼ければ、陽射しが強すぎて日焼けしたんだなって納得する、 あきらめもつくんですけど、 房の真ん中とか、一番下とか、房によって日焼けしてる粒の位置が違うので、 陽射しの強さだけが原因じゃないんだろうなって思います。 まわりには、日焼けしてない房があるんですけど、 なんとなく、日焼けした房の方が目についてしまいます。
 日焼けが見え始めたときは、かなり不安になりましたけど、 詰まり過ぎて窮屈そうだった房は、日焼けした粒を落としたら、ちょうど良くなりました。 小房は、日焼けした粒を落とせば、試食になります。 水回り期に入って、粒が軟らかくなってきてから、 日焼けした粒を切り落として、袋かけしました。 それ以降は、日焼けは発生していないようです。
 巨峰との詰め合わせにって、収穫開始時期の問い合わせも多いのです。 7月末現在、花が早く咲いた辺りの小房を、食べてみるんですけど、 粒の先っぽの方は甘くなってきていても、 軸に近いとこは、まだ酸っぱさを感じます。 昨年は、8月10日に採り始めてますから、やっぱり8月になってからです。

 昨年の天山は、ほとんどの房の粒が割れてしまったんでした。 数房程度だったと思いますが、割れずに残った房がありましたから、 試しに販売したんですけど、それを買って帰られた方は、 「美味しかった。あの大粒のぶどうを下さい。」って、また、買いに来られました。 お好みに合ったようです。 でも、あのとき1回きりの収穫、販売で、もう残っていなかったのです。
 今年も、昨年同様に粒が大きくなって、綺麗な姿をしてましたけど、 水回り期になって袋かけした後から様子が変わってきてます。 表面が黒っぽく変色する粒が増えてきて、粒が割れて、シワシワになってきました。 綺麗にしてる房も残ってますし、 新聞折込チラシに、「試験生産中」って書いたものですから、 お尋ねになる方も多いので、 少しでも収穫して、販売して、味の評判、感想を聞いてみたいものです。 天山には、シャインマスカット以上に手がかかってますから、 「とっても美味しい。」って感想が聞えてこないと、 来年の仕事に、力が入らないような気がします。