ぶどう狩り・産地直売・地方発送                                山門ぶどう園便り 2011年7月20日
出水市観光協会推薦     山 門 ぶ ど う 園
  〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
  TEL 0996−62−1571    FAX 0996−62−4450
  http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/   「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
    ○ 巨峰              ・・ 7月中旬〜9月
    ○ ロザリオビアンコ(マスカット) ・・ 8月〜11月
    ○ 甲斐路・セキレイ(赤嶺)    ・・ 8月〜12月
 巨峰の収穫が終わった後、10月頃に、地元の小学校の児童さん達が、 総合学習の時間を使って見学にやってきます。 以前は、学年全員の60人以上だったりしたこともありましたが、 最近は、10人くらいづつのグループに分かれて、 ミニトマト、イチゴ、田圃、水産工場など、あっちこっちに行くらしいです。

 1999年から地方発送の箱に入れ始めた「山門ぶどう園便り」を資料として配って、説明を始めます。 苗木を植えて、春に新芽が出て、花が咲いて実になって、色付いて、と説明するんですけど、 何回やっても慣れなくて、上手いこと説明できないもんですから、 知りたいことに答えた方が聞いてもらえるだろうってことで、 最初の説明の時間は短くして、すぐに質問コーナーにして、 質問に答えた後に、関連した説明を付け加えるようにしてます。 みんな質問を準備してきてて、僕の答えをメモしてました。 「いつ頃収穫できますか?。」、「いつころからぶどう園はありますか?。」、 「何が大変ですか?。」、「嬉しいのはどんなときですか?。」、 「袋は全部同じ大きさですか?。」、「色の違う袋があるのは何故ですか?。」、 「種を蒔いたら、どのくらいで食べれるようになるのですか?。」、 「何人で働いてるんですか?。」、「お客さんの人数は?。」、 「木の本数は?。」、「種類は?。」、 「出来の悪い葡萄はどうするんですか?。」などなど、でした。
 小さな子供達と話をする機会がないと、 説明するための言葉使いからして分からないことが多いのです。 例えば、畑の面積を教えるにしても、畑田圃を持ってるおじいちゃんおばあちゃんには、 1町6反って言い方が分かり易いですけど、 農家に関係ない人達には、160アール、1.6ヘクタールが分かりやすいでしょうし、 何ヘーベー(ヘーホーメートル、mの2乗)とか、何坪とか言われると、僕の方が分かりません。 小学校3年生には、どれも分からないらしくて、 畳何枚分...?、って聞かれたりして、答えられませんでした。 ちゃんと計算すれば答えられるんでしょうけど、 それよりも、実際に畑の中を歩き回って、広さを体感してもらいました。
巨峰 巨峰
 質問が終わった後は、テラスの下に置いてある機械類や、ぶどう園の中を見て回りました。 それに、「木は何本ありますか..?。」って質問があったときには、 畑の中を見て歩きながら、木の本数を数えてもらいました。 男の子達だと、乗用草刈機とか、 スピードスプレイヤー(SS、農薬液肥の葉面散布用の車)に興味がいって、 写真撮ったり、乗ってみても良いですか...?、ってなるんですけど、 女の子達ばかりだと、機械類には、あんまり興味がわかないみたいで、 二番花の実を見つけたり、地面に落ちてる粒を眺めたり、 ネコを追いかけたり、ぶどうの葉っぱと一緒にポーズとって記念撮影したり、だったようです。 10年くらい前は、グループで使い捨てカメラ1個だけ持って来てて、 それでも楽しそうに撮ってましたが、 今では、全員がデジカメを持ってきてたり、ビデオカメラを持って来ることもありました。
 ぶどう棚から下がってるスプリンクーラーが気になるらしくて、 蛇口を開けて、畑に水を撒いて見せたら、 寒い時期だったのに、わざと濡れるくらいのとこまで近寄って、 水が来たらワ〜っと飛び散るように逃げる、ってなことやってました。 スプリンクーラーは、一般家庭には無い物だろうとは思いますが、 こんなのがそんなに楽しいんだろうかって思いながら見てました。 一度は、乗用草刈り機で草刈りして見せたこともありましたが、 ゴーカートみたいなもんですからね、 止まってる状態の座席に座って記念撮影するだけじゃなくて、 「運転してみたい。」ようなことを言い出す子もいて、 SSも、乗用草刈り機も、見せるだけ、記念撮影だけにしてます。 説明苦手な僕ですから、適当に乗用草刈り機で遊んでもらってれば、 学習時間が過ぎていきますから、それはそれで良いことなのですが、 怪我など心配ですからね。
 時間稼ぎも兼ねて、怪我しない程度に楽しんでもらうってことで、 ビニールハウスの上からの眺めを見てもらおうかなって思いつきました。 「登ってみる...?」ってききましたら、 「いいんですか...?」って言って、梯子を登って行きました。 さっさと登った子もいれば、「ちょー怖い」って言いながら、ヨロヨロと登った子もいて、 男の子達は、なんとか登って、谷の鉄板を歩き始めて、 女の子も1人は登って、谷を歩き回ってました。 ぶどう園の中を歩くことも、まあまあ珍しいことかもしれませんけど、 ビニールハウスの鉄骨の上からぶどうの木を眺めたりすることは、 めったにない体験だったんじゃないかなって思います。

 セキレイとロザリオを試食用に冷やしときましたから、 歩き回って喉が渇いた後は、おやつにしました。 「皮が美味しい」って、皮ごと食べてる子もいれば、丁寧に皮を剥いてから食べてる子もいるし、 たくさん食べてる子もいるし、遠慮してる子もいるし、いろいろでした。 食べてる間は、何の説明もいりませんし、自由時間です。 ご近所さんから頂いたサトウキビを、 帰り間際に1本づつあげたことがあったんですけど、 女の子1人は、食べ方(?)を知ってたみたいですけど、 ほとんどの子が食べ方が分からないみたいで、 「食べるんじゃなくて、皮を剥いて噛むだけだよ。」って、教えてあげたら、 「甘い」とか、「変な味する」とか言ってましたが、 みんなでかじりながら帰って行きました。

 10人くらいだと、質問の数も多くて、何を話そうかと考えずにすみますし、 子供達で勝手にお喋りしててくれますし、 仲良く元気な子達で、終わってみれば「面白かった」ってことになります。 そして、「小学生は、よく走る。」ということに気がつきました。 なんでだか分かりませんが、ちょっとしたことで、走ります、ダッシュします。 1人でダッシュじゃなくて、みんな一緒に、楽しそうにダッシュします。 草刈り機見に行くとき、木の本数を数えるとき、ぶどうを食べる前に手を洗いに行くとき、 そんなに急ぐ必要もないように思えるときに、ダッシュします。 学年全員の60人以上が来てた頃には、もっと凄くて、まるでスズメが集団で飛び回るみたいに、 あっちにワ〜、こっちにワ〜って、集団で走り回ってて、 跳び散っては集まり、飛び散っては集まり、でした。 こんなによく走るのに、卒業して中学生になると、 「もちょっと早く動けないか?。」ってくらいになるから不思議です。
巨峰 巨峰
 ぶどうを食べた後は、手伝いさん達も一緒になって、記念撮影して、 その後は、「遊びながら帰るんだ〜。」って言いながら、ちょっと早めに帰ってくれます。 僕らが見送っていたもんですから、 ちょこっと歩いてから、振り向いてバイバーイって手を振ってました。 リュックを背負ったような格好で歩いて帰ってくもんですから、 本人達は、「なんだか、田舎に泊まろう、みたいだ。」って言ってから、 また手を振って、歩き始めてました。 テレビで「田舎に泊まろう」を見てた頃だったんで、 お別れの場面に似てるなあって思いながら見送ってました。 お手伝いはしてもらってませんし、 別れがつらくて泣いてる子もいなかったと思いますが...。