山門ぶどう園便り 2004年7月20日
http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/
 YahooJapanで、「山門ぶどう園」と入力して、検索できます。
 実際のインターネット上のホームページには、 商品情報、インターネット通信販売、山門ぶどう園への道案内地図、 出水市周辺の観光紹介、出水市関連のホームページへのリンク、などなど掲載してます。
ぶどう狩り、産地直売、地方発送
出水市観光協会推薦   山門ぶどう園

  〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
  TEL 0996−62−1571    FAX 0996−62−4450
  E-MAIL roshiroshi@po2.synapse.ne.jp

    ○ 巨峰              ・・7月中旬〜9月
    ○ ロザリオビアンコ(マスカット) ・・8月〜11月
    ○ セキレイ(赤嶺)        ・・8月〜12月

 20年くらい前に地方発送を始めた頃は、 2、3枚の葡萄の葉を、箱に入れて送っていました。 「受け取る人は、都会に住んでる人が多いから、 葡萄の葉なんて見たことないだろう。 きっと珍しがられるに違いない。」と思ったのです。 でも、木に残る葉の枚数が減って、 冬に枝が枯れてしまったり、春に花芽が無かったり、 そんな、翌年への影響が心配になって、 葉を箱に入れるのは、収穫中に葉をとるのは、やめてしまいました。
 葡萄の葉は、粒を大きくして着色するまではもちろんですけど、 収穫が終わった後も、一枚でも多く、一日でも長く、 枝に付いていてほしいものなのです。 葉は、とっても大事です。
芽 広がりだした芽 花芽の頃の葉っぱ
 春になると、前年に実を生らせた枝の節から、新芽が出てきます。
 新芽が成長すると、枝が伸び、葉が広がり、花芽が見えてきます。 生まれたての葉は、 小さくて、薄っぺらで、やわらかくて、とっても弱いものなんです。
 枝が伸びると、葉の枚数が増え、 大きく広がり、緑色が濃くなり、厚みを増して、 自分に必要な栄養分を生成するようになります。 そして、木の勢いが強くなり、さらに枝を伸ばします。
 花が咲く前の葉は、 ヘナヘナとやわらかくて、平面的に広がったような形をしてますけど、 花が咲いて実になった後の葉は、さらに厚みを増して、パリパリしてて、 逆円錐形、カサを逆さまにしたような形、 ジョウゴのような形になります。 立体的に光を受けるので、 葉の枚数が増えても、葉と葉の間に隙間ができて、 ぶどう園の中に日光が入り、 葡萄にも、やわらかい光が当たるようになります。

 花が咲いて実になった後まで、綺麗な葉を維持できれば、 粒数の多い房の葡萄でも、粒が大きくなって、 色着きも良く、美味しい葡萄になります。 でも、台風などの強風で葉が千切れ飛んでしまったり、 異常な高温、病原菌のために、葉が枯れてしまったり、 葉を虫にかじられたりすると、 十分な栄養分を作れませんから、 粒が大きくならない、色が着かない、実がやわらかくなってしまう、 ...あんまり美味しい葡萄とは思えません。
 「美味しい葡萄の見分け方は..?。」と訊かれることがあります。 お店で買うときには、食べてみないと分からないことですけど、 美味しい葡萄を作る葡萄の木には、綺麗な葉がたくさんあります。 根や幹が傷んでたりすると、葉が変色したり、影響が表われますから、 産地に買いに行くときには、参考になると思います。

 他の地方のぶどう園を見に行くのは、 自分とこの収穫が終わってからになります。 当然、そこのぶどう園も収穫が終わってることがほとんどで、 実を見たり、試食したりってのはできないのです。 では、何しに行くのかと言うと、 枝の伸び具合、太さ、 葉の状態、残ってる枚数、そんなのを観察するのです。 収穫後間もないのに葉が残ってなかったりすると、 その原因を教えてもらって、 自分とこの翌年以降の参考にします。
収穫時期の葉っぱ(表) 収穫時期の葉っぱ(裏)
 この小さな写真では分かりにくいとは思いますけど、 左の写真、葉の表面(お日様に向いた面)は、スベスベしてて、 お日様の光を受けて養分を作ります。 そして、右の写真、葉の裏面は、ザラザラしてて、 空気中の水分や、霧状に撒布する液体肥料を吸い込みます。

 日差しが強いときには、 葉の下にある葡萄に直射日光が当たらないようにして、 日焼けから守ります。 特に、着色始める前は、実の中の水分が少ないので、 気温が異常に高かったり、直射日光が当たり続けたりすると、 日焼けして、干乾びたように縮んでしまうのです。 葉は、日傘の役割をしてくれます。
 台風などで強風が吹いたときには、 吹き降ろしてくる強風を受け流して、 ぶどう園の中に入る風を弱めて、 葡萄が風に吹かれて千切れ落ちるのを防いでくれます。 葡萄の葉っぱは、とっても大事なのです。