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加那=かな
瀬音=せおと
咽(むせ)ぶ
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(一)       
      
潮の匂いのする風が

今日も吹いてる 漁村(いそジマ)

沖にゃ綾船(あやぶね)通うのに

加那は帰って来なかった

立神洗う瀬音遠く鳴るばかり

(ニ)

寄り木(ゆりぎ)寄り寄る(ゆりゆる) 砂浜(すなはま)
   
鳴いてさすらう鰹鳥(はぐれどり)
   
ウナリガミなら 加那尋(とぅむぃ)てぃ 

添えた情念(なさけ)虞美人草(ひなげし)

波面(なみ)に 浮かべりゃ 

せめて 届けよ

沖の背に

 ー(間奏)ー

 ー(間奏)ー

(三)

珊瑚垣根(さんごかきね)巫女袖衣(ふるそで)

赤く 夕陽に

染(そま)る頃

蛇皮線(じゃみ)に咽ぶ 島唄(ウタ)聞けば

茜(あかね)雲より まだ熱く 恋慕(おもい)は 燃えて
   
未練(みれん)影引(かげひ)

今里よ