トカラ−奄美「沿海化適当」 国交省検討会が結論
年度内に法令変更
(11/21 07:45)
 トカラ列島と奄美大島間の海域を「沿海」に変更することの是非を考える有識者による検討会が20日、国土交通省で開かれ、同海域を沿海とすることを適当とする結論をまとめた。同日の結論に従って国交省は、本年度中に関係法令を変更する考え。同海域は現在、船舶の設備や構造などの基準が厳しい「近海」だが、沿海になれば沿海仕様の遊漁船やヨットなどが自由に航行できるようになる。
 日本列島沿いは沖縄など一部を除いて沿海でつながっているが、トカラ列島と奄美大島間の約5.5キロは途切れた状態。地元自治体や県は、観光振興や物流の効率化につながるとして沿海への変更を要望していた。国交省は今年6月に検討会を設置、これまで同海域が安全性などの条件を満たしていることを確認していた。
 検討会に出席した蔵持京治県交通政策課長は「トカラ列島は2009年7月の皆既日食の絶好の観測地。宿泊施設が少ないなど受け入れ態勢が課題だが、沿海化で奄美との行き来が容易になるなど、メリットが大きい」と話している。