平成11年度第2回
鹿児島県大学図書館協議会研修会記録

                                         鹿児島県大学図書館協議会研修委員会
                                                    小路口良弘(鹿児島大学)
1.テーマ 「目録の書き方」
2.内 容 「音楽資料の目録データベース」について事例報告
        「目録作成」の実務研修
3.講 師  中村孝氏(鹿児島短期大学), 福永久人氏(鹿児島大学)
4.日 時  平成11年12月13日(月)午後1時30分〜午後5時
5.場 所  鹿児島大学中央図書館  AVホール (5階)
6.参加者  12機関20名

研修会の概要
 前年度、研修委員会では「図書館職員の専門性」を高めるため、初心者を対象とし
た目録の基礎研修を開催したが、今回は、さらに目録に対する理解を深めレベルアッ
プを図るため、目録研修の中級編として実務研修を企画した。
 研修会の前半では、「音楽資料の目録データベース」についての事例報告をお願い
し、AV-NOCS(音楽CDデータベース「NHK-MARC」のCD-ROM版)の活用方法等について
説明が行われた。
 研修会の後半では、「目録作成」の講習が行われた。まず、目録規則等の基礎部分
の説明が行われ、その後、実務研修へと進んだ。この実務研修では多くの例題が取り
上げられ、各自目録を作ってもらう方法で研修が進められた。普段、私達は目録を作
る際、学情の目録システムを利用しているが、今回の「自分で考え、実際に書く」研
修は、実践的で有意義なものであったと思う。
 なお、アンケートの結果、この研修会は概ね好評であり、別なテーマについても開
催してもらいたいという要望が多かった。

アンケート結果
*回答者 19人
1.本日の研修会の内容について
   難しい    1人(5%)
   やや難しい  4人(21%)
   ちょうど良い 13人(69%)
   やややさしい 1人(5%)
   やさしい   0人(0%)
2.本日の研修で、もう少し詳しく解説してほしいと感じたことは?
   ○例題が多くてよかった。
   ○目録作成の実務にもう少し時間がほしいと思った。
   ○1件の事例について時間が足りなかった。
   ○VTの書き方について
   ○鹿児島短期大学のAV−NOCS等について
   ○基本的な図書目録の書き方
   ○タイトルなどもう少し時間をかけて教えてほしかった。
   ○特になし
   ○責任表示の部分
3.本日の研修で取りあげて欲しかった事項は?
   ○洋書の目録規則について
   ○三階層になっている書誌階層について
   ○特になし(2人)
   ○実務でしたのでわかりやすかった
   ○地方出版物の目録のとり方
4.今後開催する基礎研修において、取り上げて欲しいテーマは?
   ○分類の規則について
      ○洋書の目録記述について(和書との違い、奥付の見方など)
      ○視聴覚資料について
      ○洋図書目録について
      ○初歩的な研修をやってほしかった
      ○逐次刊行物全体について。特に編集者
      ○学術情報センターの目録の徹底研修
      ○検索の実習について
      ○所蔵登録の実習について
      ○特になし
5. その他
      ○様々な事例をあげながら、わかりやすい研修だった。
      ○実務的だったので、わかりやすかった。
      ○大いに参考になった。

別紙
      [平成11年度鹿児島県大学図書館協議会第2回研修会資料−1]

              目録の書き方

1.なぜ、そのような目録を作るのか。
  どのように作るかは、次のような本がある。
           	吉田憲一編著「資料組織演習」      日本図書館協会 1998 
      	田辺広ほか  「資料目録法及び演習」樹村房        1982
      	鮎澤修    「分類と目録」        日本図書館協会 1995

2.日本目録規則1987 改定版 (NCR87改) の本則と任意規定を調べる。

3.学術情報センター (NACSIS) と国立国会図書館 (NDL) の目録を比較して、何故
    そのような目録を作るのかを考える。
   NACSIS  (NC) 
	1. 全国の大学図書館
    2. 全国共同利用
    3. 学術教育研究用図書
    4. 書誌と所蔵
    5. Union Catalog(総合目録)
    6. 外国書が多いのが特徴
  
   NDL (JP) 
	1. 全国書誌(日本で出版された書籍)
        2. 一館
        3.  納本制:日本国中の書籍 (一般図書、小説等) を集める
        4.  普遍的
          
   [平成11年度鹿児島県大学図書館協議会第2回研修会資料−2]
 
      例  題
    1.著  者
     (1)海洋大事典/和達清夫監修 東京堂出版 1987
     (2)若い研究者のために:財団法人内藤記念科学振興財団設立30周年
                記念誌/内藤記念化学振興財団 1999.
     (3)東京大学海洋研究所30年史:1962-1992/東京大学海洋研究所編
               1993
     (4)環境思想の多様な展開/鬼頭秀一[ほか]編・解説
                東海大学出版会  1995
     (5)リモートセンシング:人工衛星写真 地球資源の解析と応用 /     
                 National Aeronauticsand Space Administration Lyndon B.
             Jonson Space Center[編];黒田泰弘「等」共訳  朝倉書店  
        1977
     (6)旅客船・カーフェリー運航管理必携/運輸省海運局監修
                日本旅客船協会編  成山堂書店 1976
      
    2.タイトル
     (1)別冊 トランジスタ技術
          パソコン・インターフェース考
        エレクトロニクスの基礎知識と実践へのアプローチ/
          佐藤清忠著  CQ出版社  1984 
     (2)続 サイエンティストゲーム
         若き科学者のための生き残り戦略/
         カール・J・シンダーマン著;山崎昶訳  
        学会出版センター  1989
                
    3.タイトルの排列語
     (1)ザ・コンピュータ・エイジ
           M・キャンベルーケリー著;末包良太訳
                 共立出版  1979

    4.版  次
     (1)理論船舶工学 (上巻) 新訂版/大串雅信著
                海文堂出版  1971

     (2)理論船舶工学 (中巻) /大串雅信著
                海文堂出版  1958
       (3)理論船舶工学 (下巻) /大串雅信著
                海文堂出版  1958

       5.加 除 式
          (1)海洋観測指針/気象庁編;日本気象協会  
            
       6.視聴覚資料
          (1)ライブラリービデオシリーズ  図書館の達人:司書実務編
                第一巻 「レファレンス・サービス」
                企画・監修:日本図書館協会  1995
          (2)別冊化学  研究者のためのMac読本:研究者ツールと
        して120%つかいこなすために/『 化学 』編集部編    
                化学同人  1995    

    7.書誌階層
     (1)化学総説 No.33 有機光化学の新展開−電子移動反応
          日本化学会編;学会出版センター 1982 

    8.その他
     (1)奄美群島の経済社会の変容/鹿児島県立短期大学地域研究所編
        1999