鹿児島県大学図書館協議会研修委員会
川路孝昭(鹿児島純心女子短期大学)
1. 開催日時 平成11年11月22日(月)午後2時〜午後5時
2. 会 場 鹿児島短期大学付属図書館 3階共同研究室
3. テーマ 学術雑誌の選書方法と継続中止の手続き
4. 参加者 9名(8機関)
5. 概 要
(1)開催に至る経緯
平成11年8月11日付で鹿児島経済大学から提出された雑誌業務担当者会議設置要
望書を研修委員会で審議した結果、本会議を設置することにした。
(2)会議の概要
参加者の自己紹介後、各館における雑誌の選書方法と購読中止のための諸手続
きについて報告があった。
購入雑誌の見直しにあたっては、大半の館が部局毎あるいは個々の教員毎に購
読の是非を問うアンケートを実施していることがわかった。また、「一人でも継
続希望があった雑誌は継続購入する」「新規購入希望がでたら、そのタイトルの
数だけ、購読中止雑誌を決めてもらう」「あらかじめ削減しなければならない総
額を提示する」など、継続する際の方針も披露された。
なお、教員に対してアンケートを実施する方法については、「矢崎省三. 東京
農工大学における雑誌最新号の利用状況調査−教官必要度アンケートと実際利用
の対比. 大学図書館研究. 40号1992.9. pp.68-69」を例に挙げて、教員に対する
アンケート結果は図書館での利用実態を反映していないケースがあることが示さ
れた。また、雑誌の選書や継続中止に至る手続き等については、図書館運営委員
会等の機関において、手続きを明文化することなどの必要性も指摘された。
次にドキュメントデリバリーサービスや電子ジャーナル、コンソーシアムとい
ったものが、雑誌担当者が抱えている諸問題の解決手段となる得るかどうかにつ
いて意見交換された。この中で、フルテキストデータベース等を導入すれば、雑
誌のチェックインや欠号のクレーム処理が省けたり、わずかな経費で多くの雑誌
の目次情報が得られるなどのメリットなどが確認されたが、導入にあたっての経
費の部局別の分担方法や複写依頼業務増加への対応が新たな問題点になることも
判明した。
このようにインターネットを使ったサービスの普及が逐次刊行物の在り方を大
きく変えようとしていることが理解できたが、まだ、本格的に電子ジャーナル等
を導入するには情報やノウハウが不足しており、また、教員の中には冊子体に拘
る方もいるなど、多くの課題があることを確認し合って、会議を終了した。
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