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海晴丸は鹿児島 錦江湾のジギング、船釣りの遊漁船です。マダイ、カンパチ、タチウオ、カワハギ、アオリイカなどジギングやティップラン、コマセで狙います。

                            2008年11月17日

 

 

村越さんがスピニングリールを使ってカワハギ釣りをやっていることは,釣り雑誌やブログなどで紹介されていて,カワハギ大好き人間の私自身,何度も本を読み返していた。しかし『スピニングリールで,本当に問題なくできるのだろうか?』ずっと疑問だった。それは”カワハギ釣り=小型両軸リール”が,いまや常識であり,”実際にスピニングでやったことが無いから”というのも理由の一つ。しかし固定概念を振り払い,村越さんの実釣を見てみると『スピニングでも十分楽しめる』そして『メリットがいっぱいある』ことを確信した。常に新しいことを模索し続ける村越さんが考えたライトタックル戦略を簡単にまとめてみたので紹介します。


 







イグジスト2508










早舟キス 180










プロの集中力は凄いですね









 
ソルティーの山本さんが釣り上げた肝パン









 
カワハギと真剣に奮戦中









 
激流の中,本命を釣り上げて行く









そう質問すると『誰にでも簡単にカワハギ釣りを楽しんでもらいたいから・・・』とあっさりと答えてくれた。なるほど・・・沖釣り師ならともかく,日ごろエギングやサーフ,磯,川釣りで釣りを楽しんでいる釣り人が愛用しているのは,スピニングリールが大半ですね。村越さんは『カワハギに興味のある入門者に対し,その世界へ入りやすくしたかった』という。ただでさえも”釣り離れ”が心配されている業界なのに,『そのタックルじゃダメ。その釣り方はやらないで』と現場は意外と保守的ですしね。何万円もする小型両軸リールを買ってまでカワハギ釣りを始めようと思っている人は別として折角,興味を持った入門者が『新しいタックルを買ってまでは・・・』と,二の足を踏んでやめるケースだってある訳である。新しい釣りに出会える,いいチャンスなのに・・・

村越さんみたいな釣り師(日本を代表するプロアングラー)が『スピニングでも問題なく楽しめますよ』と提案しTVや釣り雑誌などで実証,紹介したら・・・・・自前のスピニングタックルで乗合船に乗り込み,カワハギをやってみようか・・・と始める人だってもっともっと増えるんじゃないか?と考えたみたいです。そしてカワハギ釣りをやってみて,その魅力にハマリ,カワハギ地獄にとことん陥って”小型両軸リールの優位性”を感じたら,そこで両軸リールを購入すればいい。『面白そうな釣りが見つかったら,まずやってみてください』という,村越流メッセージがこのスピニングカワハギにはあるように私は思えた。


 


※まずはより仕掛けを早く沈められるということ

カワハギのアタリは船がポイントへ到着し仕掛けを投入した直後に多く訪れる。乗合船で一斉に仕掛けを投入するならば少しでも早く着底した方が有利なハズ。この点は両軸リールよりスピニングリールの方が遥かに有利である。

※キス竿との組み合わせがベストマッチ
道糸を弛ませてアタリを取る。仕掛けを浮かしてアタリを取る。繊細な穂先を持つシロギス竿と組み合わせることによって,より明確にアタリをキャッチできるようになった。

※頭上高速巻上げが可能
竿を頭上に突き上げた瞬間に感じたアタリに対してアワセを行った直後でも頭上で高速巻取りができるため,バラさずに済む。

※より早く巻き上げられるということ
カワハギ釣りではエサのコマメなチェックも重要なテクニックのひとつ。仕掛け回収,投入の繰り返しの釣りだからこそ,時合いを逃さぬように回収もスピーディーに行える。縦横無尽に暴れ上がってくるカワハギに主導権を与えずスピーディーに回収できる。

※キャストして広範囲を攻められること
仕掛けを軽くキャストして広範囲を攻める場合もスピニングの方が有利といえる。潮流が早いシーンでも仕掛けを潮上にキャストし,釣りやすい環境を整えられる。

※ライントラブルが少ないこと
気をつけていても両軸リールでよく見るバッククラッシュ。一度やってしまうとラインは痛み,なにより時間のロスがもったいない。スピンニングにはライントラブルが少ないメリットがある。



※ラインの出し入れ
特に起伏の激しいポイントではラインの出し入れを頻繁に行わなければならない。この点では圧倒的に小型両軸リールの方が使いやすいだろう。またご存知,スマック機構なら着底から釣り開始までスムーズな動作でストレスがない。





 



アサリを着けて潮上へ軽くキャスト。根掛かりの心配ない釣り場と判断した村越さんは,仕掛けを軽く投げて広い範囲を攻める。たまにラインを張り,底ダチを確認するも,ラインは弛ませ気味のままにして,竿先というよりもラインの動きに集中しているようだ。なにかメジナ釣りの全誘導釣法のようにも見える。突然”ビッビッビッ”っと繊細なシロギス竿がカワハギのシグナルを捕えた。上がってきたのはレギュラーサイズのカワハギだった。仕掛けをキャストすることで仕掛けを自然に寝かせて,カワハギの一番喰い易い角度を演出しているのだろうか。立て続けに次も本命を釣り上げた。超タルマセ釣りともいえるこの釣法は,水切れのよい細いPEラインの存在が不可欠で0.8号,時には0.6号を使用する。シロギス竿を使うのは,弛ませておいても繊細な穂先でカワハギの僅かなアタリを伝えてくれるからだ。この釣りをしばらく拝見し,『これがスピニングカワハギなんだぁ・・・』と,目を凝らして観察していると今度は船が根周りに近づき,トラギス,ベラなどの定番外道が増えてきた。海底付近にエサ盗りが多いと判断すると,村越さんはすぐさま底を切った縦の釣りに変更していった。仕掛けを海底から1〜2m浮かして,カワハギを上へと誘うようにフワフワと小刻みに動かしている。これって”ユラユラガッガ釣法?”と思ったら,今度は”ストン”と底まで落としてタタキ・タルマセ釣りをやったりと色々な釣り方を混ぜたコンビネーション釣法で攻略している。『こんな場所では仕掛けの上下を逆にする”逆転仕掛け”も作戦のひとつですよ』と教えてくれた。この時点になったら自分が最初から気になっていた”ラインの出し入れ”の問題なんてどこにいったのやら?・・・・・ごくごく自然に違和感もなくカワハギ釣りを見学できた。この後も同じ釣り方を続けることなく,見るたびに違うパターンでのカワハギ釣りをやって見せてくれた。こうやってカワハギの有効パターンを,いち早く見つけていくんでしょうね。とにかく引き出しの多さにもビックリした訳だが,村越さんが奨めるスピニングカワハギを実際に見れてスピニングリールでカワハギ釣りは楽しめることがわかりました。これでカワハギ釣りを楽しむ人がもっと増えてくれたらいいなあと私も願っております。





 



 

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村越正海の釣り日記
プロアングラ−村越正海さんの「釣り」「遊び」「自然観察」日記。ある日突然おもいついたことや最新情報も真っ先に。

●むらこし せいかい
1958年3月神奈川県生まれ。小田原市在住。
東海大学海洋学部海洋工学科卒。
フィッシングライター兼プロフィッシャーマン
ダイワ精工フィールドテスター
TV:『ザ・フィッシング』(TV大阪/TV東京系) 雑誌連載:『Salty』『カートップ』『ルアマガソルト』『つり丸』『ソルトワールド』『堤防・磯投げ釣り情報』


主な著書に「ルアー・コロンブスの海」(廣済堂出版)、「初めての海のルアー釣り」「激釣日記」「地獄の地磯・釣り場ガイド」(以上、主婦と生活社)がある。