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健康教室health column

女性の心の健康づくり

指宿竹元病院 高桑 由美子

 

  近年、女性も社会進出するようになり、労働環境の変化や社会不安など、さまざまなストレスの環境によって、心のトラブルを抱え込む女性が増えています。

  心の病気は、環境の変化や育った環境、人間関係など、さまざまな要因によって起こります。特に女性の場合、女性ホルモンが心のバランスと密接に関わっています。
  女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という、二つのホルモンがあります。それが交互に作用することで、女性の身体のバランスを周期的に保っています。
  女性ホルモンの調節は、自律神経中枢と脳下垂体が関わっているため、ホルモンバランスが崩れると身体と精神に不調が起きます。女性に特有の心の病気には以下のようなものがあります。

・月経前症候群 : 月経前のうつ気分、イライラなどの症状。月経に伴うホルモンバランスの変化による
 ものが原因。症状は月経の数日~2週間前頃から始まり、月経が始まると、ほとんど消失します。

・更年期障害 : 加齢によってホルモンが大きく変調する更年期に入り、身体的・精神的な不調を来しま
 す。子どもが独立する時期と重なることが多く、急激な環境の変化に対応できず、気分の落ち込みや
 喪失感が長く続くこともあります。そうした背景もあって、うつ状態になりやすいのです。

・妊娠や出産に伴ううつ状態 : 人生の一大事の最中であり、またホルモン変動が大きいこともあって、
 うつ状態を起こしやすい時期といえます。不安、不眠、イライラ、育児が楽しくないなどがありま
 す。しかし、うつ状態になった妊産婦の多くは、適切な治療を受けていないのが現状です。治療を受
 けることは、本人はもちろん、子どもにとっても大切です。

 心の病気の予防には、ストレスと上手に付き合うことが大切です。

① まず、毎日の生活習慣を整えましょう。バランスの取れた食事や良質な睡眠、適度な運動の習慣が、
 健康の基本です。ストレスがたまったときの対策として、リラックスできる時間を持つことも大切で
 す。

② ストレスを感じるとき、問題点やダメな点ばかりに注目しがちです。実際にできていること、うまく
 いっていることに注意を向けるのもよいでしょう。考え方や見方を少し変えてみるだけで、気持ちが
 少し楽になることがあります。

③困ったときやつらいときに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。話すこと
 で解決策が見つかることもあります。相談に乗ってもらえた安心感も、気持ちを落ち着かせるでしょ
 う。日頃から、気軽に話せる人を増やしましょう。

  しかし、自分なりの工夫を続けてもうまくいかないときは、早めに専門家に相談しましょう。まずは、かかりつけ医がいるときは、遠慮なく相談しましょう。




「 笑い 」と健康

メディポリス国際陽子線治療センター 永田 一郎 

 
  皆さん、今朝起きてから何回笑いましたか?
  朝から、お仕事で気難しい顔をして働いている人、職場の人やご家族との談笑で楽しく過ごされている人、さまざまだと思います。笑いは、心だけでなく、身体も健康にしてくれます。
  さて、医療はすさまじい勢いで進歩しており、多くの病気が治療できるようになりました。例えば、私の所属しているメディポリス国際陽子線治療センターでは、陽子線と呼ばれる特殊な放射線を用いて、がんの先進医療を行っています。他方、外科手術の発展や新規の抗がん剤を併用したさまざまな治療に進歩がありました。今は、一昔前のように必ずしも「がん=あと数カ月の余命」という時代ではなくなってきています。
  しかし、病気になるということは良いことではありません。できることなら未然に予防したい、もし病気にかかってしまっても、治したいものです。普段から気軽に疾病予防ができて、治療にも効果的なことがあったら、こんなに素晴らしいことはないと思いませんか?もちろん、運動や食事療法などの生活習慣の改善も効果的ですが、その他にも、ぜひ皆さんには日常に「笑い」を進んで取り入れることをお勧めします。

  「病は気から」「笑う門には福来る」。私たちが幼い頃からよく聞いて知っている言葉だと思います。これらの言葉は中国から由来しているらしく「病は気から」という言葉は、紀元前450~221年頃に書かれたとされる、中国最古の医書が由来だそうです。そんなに古い外来の言葉が現代でも普及しているということは、長い時間をかけて多くの人々が実際に効果を認め、実感してきたからではないでしょうか。

  近年「笑い」が人体に及ぼす影響についての医学研究が活発になってきています。例えば、日常生活に笑いをより多く取り入れることで、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などの血管系の病気予防や改善ができる、関節リウマチの症状が改善できる、がん細胞を攻撃するといわれている免疫系細胞が増加して活性化されるなど、多くの事実が確認されています。大阪にあるがんセンターでは、今年5月から8月までお笑い芸人にショーを行ってもらい、がん患者さんの症状と検査、データに関して改善がみられるかどうかという研究を実施するそうです。

  日本には、室町時代から笑いの伝統芸能として、落語や狂言といったものがあります。笑いが伝統芸能として長く引き継がれてきている国は、世界でも類を見ないそうです。日本人は勤勉でまじめであると外国人からよく言われますが、そんな日本が世界有数の長寿の国であり、そして笑いが文化として長らく定着していることには、何か意味があるように思えます。

  笑いのツボは人それぞれによって異なるとは思いますが、身近な人やご家族との談笑の機会を意図的に増やしたり、笑える本やテレビ・ラジオ番組など、明るい気分になれる機会を日々の生活の中に積極的に取り入れたりしてはいかがでしょうか。




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