大隅半島のダイバーって、、     2000.5.20(Sat)

今日は天気もいいので、久々にポイント調査に行くことにする。

太平洋側の某漁港に到着。港のすぐ横は白い砂浜が広がっている。防波堤のすぐ外がいい感じの地形になっている。南風の時以外はエントリー、エキジットも問題なくできそうだ。漁港の中の水はとてもきれいで、所々にハリセンボンがぷかぷか泳いでるのがはっきり分かり、時折、アジが素早く泳いでいる。穏やかな風が心地よい、、、

港には、網の手入れをしている漁師がいたので、ダイビングをしたいことを告げると、「泳ぐだけならいい」とのことだったので、セッティングを始める、、、、すると、別の漁師がこっちの方に歩いてくる、、、(やな予感、、、)

漁師 「あんたは、誰の許可を得て何の目的で、ここで潜るのか?」

僕   持ってきた水中カメラを指さしながら「はい、魚を見たり、写真を撮ったり、、」

「ここはアクアラングは禁止だよ、ちょっとこっちに来てごらん。ここに書いてあるがね。あんたは漁協にも入っていないんでしょ?素潜りでサザエ1個とってきても罰せられるんだよ」密漁禁止の看板を指さしながら言う。   

「分かっています。僕は何もとるつもりはありません」

「写真だか何だか知らないけど、ここはアクアラングじゃ潜れないよ。ここら辺はどこに行ってもそうだよ。潜りたいんだったら潜ってもいいけど、警察と海上保安部呼ぶからね」

別に捕まるようなことをするわけじゃないので、「呼んでもいいですよ」と言おうと思ったけど、警察の方に手数をかけるのもどうかと、、、また、すでに向こうも感情的になっており、こっちまで熱くなってもしょうがない思ったので「分かりました。地元の方がそうおっしゃるんでしたら、潜りません。すいませんでした」

てなかんじで、結局潜らずに帰ってきました。

密猟防止の看板には、「採るな!」とは書いてあっても、「潜るな!」とはどこにも書いありません(当然です)

しかし、ここらあたりの漁師には「漁師じゃないダイバー=密漁ダイバー」と言う図式が完全にできあがっていて、人の話を全く聞こうとしません。

そうなってしまった原因というのは、やはり、実際に密漁が後を絶たないということだと思う。さらに、大隅半島ではレジャーダイバーの絶対数が少ないので、それこそ彼らが見るダイバーはすべて密漁ダイバー ということになっても仕方のないことです。

僕が住んでる鹿屋市周辺では、ダイバー以外の人にダイビングの話をすると、必ずと言っていいほど、「何が採れるのか」という質問が帰ってくる。その都度、「スクーバで生き物を採るには、知事の許可が必要で、素潜りであっても、漁業権が設定されているイセエビなどは採ってはいけないんだよ」と答える。そうすると、大半の人は何が楽しくて潜ってるの?という顔をする。

しかし、この町でも、最近では毎年ダイビングフェスティバルを開催し、スクーバダイビングをはじめとするマリンスポーツでの地域活性化にも力を入れ始めてきています。(ただし、潜れる地域はすごく限定されている)、とにかくすべてのダイバーが潜る海を大切にし「生き物には絶対手をつけない」ということを守っていけば、いつか自由に潜れる日が来ると思う。