かのんの本棚 児童書編
はなはなみんみ物語3部作あらすじ



はなはなみんみ物語

ゆらぎの詩の物語

よみがえる魔法の物語

はなはなみんみ物語(全3巻)
小人 魔法 空中とび 水中くぐり なげる いかり草 緑の石

リブリオ出版 (1980年2月25日 第1刷発行)
わたり むつこ 作
本庄 ひさ子 絵

はなはなみんみ物語
はなはな(おとこのこ) みんみ(おんなのこ) ふたりはふたごのこびときょうだい。
父さん(たけび) 母さん(ひいな) 白ひげじいさん
南の森に住む5人の幸せな小人家族

小人大戦争で,生き残った小人は5人だけだと思っていた小人家族は,ある日,からすのうわさばなしで北の森にも小人がいることを知り旅に出る。小人に伝わる「空中とび」の魔法を白ひげじいさんに教わり,たくさんの冒険の末,羊びとにとらわれているもえび(いかり草を作り出した研究員だった。),たち,くりなに出会う。しかし,一緒にはなはなもとらわれの身になる。四人を助けるため,大戦争の時,空中小人隊員だった白ひげじいさんは,いかり草から魔法の玉・いかり玉を作り,自分の命とひきかえに四人を救う。自由になったはなはなは,みんみ,たけび,ひいなと再会。たち,くりなはたちの奥さん,ゆた,きゆばあさんに再会。2つの家族がめぐりあって、北の森で冬をすごし,また、困難な旅の末10人は南の森に移り住むことになった。

ゆらぎの詩の物語
小人大戦争で滅びてしまっ小人の国をめざして、10人は船に乗って旅に出た。手がかりは真夏の夜、頭上に輝く四つの星。小人の国はその真下に位置している「満月本土」と呼ばれる大陸と,その北に三日月のようにつらなっている「三日月群島」と呼ばれる7つの島から成り立っていると言う。
 長い航海の間にもえびじいさんが,船の上で息絶え,しけでたちの奥さんを失い,やっとのことで島にたどりついた8人は海岸に家を建て,しばらく幸せに暮らすが,その島はゆらぎの島だった。地震がおそい,家はこわれていまう。小人家族が島の高台に避難するとそこにはたくさんの動物たちが暮らしていた。しかし,度重なる地震で島はだんだん崩れていく運命。
 きゆばあさんから「水中くぐり」を教えてもらった子どもたちは海の中にゆらぎの柱を見つけた。ゆらぎの柱は昔、小人大戦争の際,仕掛けられたものだった。緑の石の助けを借りて、ゆらぎの石をこわすことができ,島は平穏な島にもどる。
 しかし,はなはな,みんみ,くりな,ゆたの四人は満月本土への旅に出かけるのであった。


「よみがえる魔法の物語」
 小人大戦争の最中に,戦争の危険から身を守るためにいのちの幕に守られた都市が作られた。外からの攻撃から守られるかわりに外に出ることもできない。大戦争が終わってもいのちの幕からでられない小人たちはだんだん弱り滅びようとしていた。いのちの幕は緑の石によって作られていた。
 そゆびじいさんは,のびとに「なげる」の魔法を教える。それは物を投げる魔法と言葉を投げる魔法だった。苦しい訓練の末,なげるを体得したのびとはいのちの幕の外に向かい,小人が生きている証拠となるものを投げるのだった。
 そのころ旅をしていたはなはなたちは,それを発見し,言葉を投げるのびとと会話し,いのちの幕をこわすための緑の石を探しに行くことになる。長い旅の末,緑の石を手に入れ いのちの幕を壊すことができた。
 その後第7の島から父さんや母さんたちをよびよせみんなで緑の石を見つけた湖のそばでくらした。緑の石のひみつを知るものは,年老いたはなはなだけ。はなはなは緑の石のひみつをだれにも語らない。